零時


アクセルまで
足が遠い
飛び去るように
すり抜ける景色

置き去られた
僕は一人
せめぎ合う道で
ガラクタと化した

朽ちる前の体の軋み
灰色の単調な空に
よく馴染んで
ありきたりな
愛の言葉を
求めた声を
ぷちりと指先で
潰すくらいに


容赦ない焦燥感が
余裕ない優越感が
胃の辺りで死ぬ
ひどく呆気なく

許されない安堵感が
満たされない達成感が
僕を絡め浸す
嘘っぱちの美しさで

容赦ない焦燥感が
余裕ない優越感が
指の辺りで死ぬ
温もりを消して

許されない安堵感が
満たされない達成感が
どうしてだろうか
目から溢れ零れる

そして落ちる
鉄の塊を道連れに



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