ふたりぼっち


薄らいでゆく
夕方の
淡く冷たい香り

窓辺から見た
並ぶ
小さな後ろ姿

今日も今日が
終わりゆく中で
長いお話しが
静かに尽きてゆく
清々しい相槌と穏やかな風が
明日へ向かう二人を
やっかむように吹き荒れた


ひとつふたつ
紡いでゆくんだろうか
未だ優しい箱の中で
世界を見上げて

日が落ち染まり
ふわりと夜の蚊帳が降る
その前に飛ばされた帽子を
二つの手が指差す



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