優しくなりたい | ナノ

優しくなりたい
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やさしい人が嫌いだった

「どうして?」
「…だって、優しい人と一緒に居たら、さびしさを増長させるから
「…それは君の我儘ではないの?きみはそれでいいの?」
「……うるさい」
「きみはそれで幸せなの?」
「だからうるさいって、」
「何もかもから逃げることが、君の幸せなの?」
「貴方に何が分かるのよ!だってわたしは、しずかに暮らしていたかった
 愛してほしかっただけなの、私という存在を、見つけてほしかったの」
「見たこともない、君を捨てた父親と母親に?」
「だって、子供は親を求めるものなのよ。だって、私はずっと待っていたのよ?だって私は親の愛を、くるしい位欲してたのだから」
「…なら僕から一つ、なぜかという問いかけをしてもいいかい?」
「…え?」
「君はいつだって愛されたかった。誰かに必要とされたかった。信じてほしかった。自分を大切だと、自分がいないと生きられないようなだれかが欲しかった。そんな人、もういるんじゃないの?」
「何を言って、」
「親の愛だけがすべてだって思い込んで、大切な何かを忘れてしまっているんじゃないの?きみのそのりんとした貌で全てを見据えて、新しい生を生きればいいんじゃないの?どうして君は、そうしないの?」
「…わたしを、愛していてくれる人がいる…?」
「気づかないの?これだけ言って気づかないのならば、君はもう馬鹿だね」
「馬鹿って、」
「君にはまだ生きる理由がある。ただ戦い続ける理由がある。ただ君が愛している、人がいる」
そう、きみは
いつだって本当は望んでた


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