![]() == == == == == 「はっはっは、主はいくつになっても愛らしいな」 「おやおや、それはありがとうねぇ」 襖の向こうから和やかな笑い声が聞こえる。 いや、どちらも聞きなれた声なんだけどね。 「まったく……あの2人が揃うといつもこうだね…」 私は溜め息をついて襖に手をかけたよ。 え?幸せが逃げる?あぁ、それは困るね。 「元気そうで何よりだよ、主。 ところで三日月、今日は畑当番ではなかったかな?」 部屋に入ってみれば思った通りの2人。 三日月と言えば内番服にまで着替えている。 着替えているのになぜ畑当番であることを忘れるのか…。 「おぉ、そうであったか」 「今日は山姥切くんとだから怒ってはいないだろうけど」 彼なら自分にはこれがお似合いだと言って1人で黙々と仕事をこなしていそうなものだけどね。 「それは悪いことをしたな」 さて行くか、と言って主に微笑んでないで早く行くべきじゃないかな。 部屋を出た三日月から、"はて、小狐はどこかな"などと聞こえた気はするけど、幻聴だと信じたい。 「はぁ……君と三日月が揃うとツッコミ役が必要だね」 「おや、そうかな…?」 君たち揃ってボケ担当なんだから。 この間三日月にそれを言えば"では小狐でも連れてくるか"と言うものだから小狐丸だけで足りるか心配になったよ。 曖昧に相槌を返しておけば今回連れてきていなかった。 最早世話係を指名する必要があるかもしれない。 となると小狐丸だけでは足りない。 主がいるとなると彼は流されてしまいそうだ。 「まぁいいか。主、昼餉の準備ができているよ」 「ん?昼餉は先程食べた気がするがねえ…」 ………主はそっちなのかい。 飯はまだか、ではなくてもう食べた、なんだね。 「はぁ……まだ食べていないだろう。さ、広間に行くよ」 みんなもう揃っているよ。 三日月?構わないさ、仕事をサボった罰だよ。 きっと君みたいに昼餉は食べたと思っているさ。 ((ツッコミ役になった覚えはないんだけどなっ)) == == == == == == == == == == 「さあ、ついたよ」 「おぉ主、待っておったぞ」 「三日月……君、畑はどうしたのかな?」 「はて、何のことだ?」 「燭台切くん、三日月の昼餉は抜きで構わないよ」 | → |