![]() == == == == == 「ねぇ、ホントにカネキ君はタイプじゃない?」 先程からずっとこの調子だ。 何がいけなかったのだろう。 可愛いと言ったからだろうか。 「ホントだってば!」 あまりにしつこいので語気が荒くなる。 「………だって夢叶、滅多にああいうこと言わないから」 叱られた犬かのように項垂れるウタ。 少しきつく言い過ぎた、と反省する。 調子に乗らせ過ぎず慰める方法を考える。 「ウタっ」 「ん、なに……」 ウタの頬に手を添えて……。 「…………………」 ウタは驚いたようで、目を見開いたまま固まっている。 「べ、別に好きでやったわけじゃないから! この前言ってたお返しの分だから…!」 パッと顔を背けた夢叶だが耳が赤い。 ウタは甘ったるい笑顔を浮かべて夢叶を抱き寄せた。 「わっ……な、何?」 「ふふ……夢叶って"つんでれ"?ってのが似合いそうだね。ぼくドキドキしちゃった」 そして「お返し」と言って頬に唇を寄せる。 「べ、べべ、別にツンツンしてないし!」 慣れないことをして動揺しまくっている夢叶に説得力はない。 「デレてるのは否定しないんだ」 すると爆発したかのように赤くなり、プスプスと空気が抜けるように萎れていった。 それを笑顔で見るウタ。 力の抜けきった夢叶にキスを贈ったのは言うまでもない。 ((珍しいことをするとツンデレを見せてくれるらしい)) == == == == == == == == == == 「夢叶って本当に可愛いなぁ」 「う、うるさいっ…可愛くなんかないし……。 っ、ちょっと……くっつきすぎ!お客さん来たら…」 「大丈夫。見られて困る関係じゃないから」 「恥ずかしいって言ってるのっ」 「………じゃあ今日はもうお店閉めちゃおっか」 「なんで?」 「奥で楽しみたいでしょ?」 「いや!」 | |