『女の子は贈り物をもらうと嬉しい』 == == == == == ――らしい。 でもぼくの彼女は物欲が少ない。 何が欲しいとか、あれ買ってなんて絶対言ってこない。 つまりぼくは夢叶の欲しいものが分からなくて困ってる。 若い女の子の好きそうなスイーツを勧めてもダメ。 イトリさんが餌付けしてるせいで全然なびかない。 ……喰種のぼくが不快に思わないようにってのもある。 夢叶の好みが分からないから下手なものは買えない。 何でも喜んでくれる気はするけど、やっぱり欲しいものをあげて、その上で喜んでもらいたい。 あー……ホント、夢叶って分かんない…。 でもまぁそんなトコもすきなんだけどね? 取り合えず、何かあげたいなぁ。 いっつももらってばかりだから。 お返しはしてあげないとね。 それに何かあげたらまたお返しをもらえるんでしょ? それってなんか良いよね。 ぼく、貢がれるよりそっちのがいいな。 だって夢叶とぼくは恋人なんだから。 あぁ、でも本当に分からないや。 夢叶は何なら喜んでくれるかな……。 「ーーってことなんだけど、夢叶は何が欲しい?」 ((それ聞いちゃうんだ…)) == == == == == == == == == == 「ん〜…服、とか?」 「でもぼくの好みで選ぶと夢叶には似合わないかな…」 「バックかな……?」 「あーでもダメだ。いっぱいありすぎてどれが良いか分かんないや」 「あ、時計とかどうだろ」 「でも夢叶、出掛けるときは手ぶらがいいって言ってたし」 「ぼくと同じであんまり時間とか気にしないからなぁ…」 「はぁ……プレゼントって難しいなぁ………」 | → |