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「#エロ」のBL小説を読む
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- ナノ -

01
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「ただいま…」


"CLOSE"とある扉を開ければ見慣れた光景。
相変わらずウタはマスクを作り続けていた。

「おかえり、夢叶」

最近はそのまま作り続けていたのだが今日は手を止めた。

ウタは夢叶を迎え入れると抱き締めた。

「最近ずっと放ってたからもう来てくれないかと思った」


ごめんね、と謝って影を重ねた。



女というのは不思議だ。

謝ってもらえないと不満に思うが、謝られると許してしまいたくなるのだ。

夢叶もウタの背に腕を回した。

いつもウタからしてくることだが、久しぶりだったこともあり、夢叶もウタのそれに応えた。

「……夢叶は怒らないのが難点だよね…」

「私が怒る前にウタが謝るから……」

きっとそれが長く関係が続く秘訣だ。

しかし夢叶にウタのようなことは出来ないので、ウタには感謝していたりする。





「……――夢叶いい匂い…」





首元で嗅がれ、少しくすぐったい。

突然ウタに抱き上げられた。

そのまま作業台に運ばれる。
ウタは台の上の道具を避けると、そこに夢叶を下ろした。

「ん、……なに…?」

「…ちょっとだけ、夢叶を触ってたい……」


ウタの言う"ちょっと"は全然ちょっとじゃないので心配だ。

行為としては"ちょっと"なのだが、時間が長い。
ウタは人を抱き締めて1時間以上過ごせるような性格だ。

だが絶対に"ちょっと"を過ぎる行為には至らない。


「……ぃい、ケド…」

そういう前に触ってきているのだから拒否権はないのだろう。

夢叶は、匂いを嗅いだり肌の柔らかさを楽しんでいるウタを見下ろしていた。

すると、普段より赫眼が濃い気がした。

「ウタ、」
「……ん…?」






「――おなか空いてるの?」






ウタの動きが止まる。

「………ちょっとだけ」

喰種は生物が生きる上で重要な食欲に対して貪欲だ。
空腹が過ぎれば理性を保っていることすら困難になる。



「いつものは?」

ウタが好んで喰べているおやつ、眼球のことを聞く。

「喰べ終わっちゃった…」

数日間マスク作りに没頭していたウタ。口寂しいと空腹でなくても喰べてしまうため底がついたようだ。

生憎、人間の肉は備蓄していない。

困った夢叶だが、台の上のカッターを見つけた。


「――私の血、飲む?」

カッターを手に取ってみるが、ううん、と首を横に振られる。

「でも…」

「ダメ。…いま夢叶の味占めちゃたら、ボク我慢できなくなりそうだから……」

言葉と共にカッターも取り上げられた。

「………珈琲、淹れてこようか?」

空腹を解消することはできないそうだが、多少気をまぎらわせることくらいは出来ると言う。



「うん…」



((大丈夫、まだ人の姿に見えるから))
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「ね、おなか空いてこない?」
「ん……空く」
「唯でさえ我慢してるんだから嗅ぐの止めよ!?」
「それとこれとは別。
夢叶の匂い、落ち着くから……」


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