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- ナノ -

01
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コクリアの脱走者リストと引き換えに嘉納について知っていることを金木に教えたイトリ。

「さーて、あたしの情報ちゃんは…と」

収穫物である資料を確認する。


「ははは、SSを3人も逃がしちゃあ"白鳩"も大火事だねぇ」

SSとは複数の特等捜査官によって対処する必要がある喰種。

つまりは相当強力な喰種ということだ。

「へぇ〜面白いメンツねぇ。6区の鯱に…ピエロもいるじゃない」



その時、店の奥の扉が開いた。

「ふぅ〜スッキリ快調御開帳」

ハンカチで手を拭きながら出てきたのは、





「あらァ?カネキくんじゃない?」

「(ニコ!?)」





「長いのよアンタ」

イトリの言葉から金木が来る前に居たことがわかる。

「久しぶりねぇ金木くん。
ずいぶん活躍してるみたいじゃない」

腰をクネンクネンさせながら近付くニコ。

金木は椅子から立ち上がり臨戦態勢だ。



「もう…怖い顔。
ゾクゾクしちゃう。あの人みたいで」



舌なめずりするニコを鋭く睨み付ける。

「おーい、店で暴れんなよ…」

2人に挟まれたイトリは珍しく困り顔だ。

「(いつの間にか消えたと思ったらこんなところで出会うなんて)」

「カネキくん座ってちょうだい。
アタシはあなたの敵じゃないわ」


――だってアタシ、アオギリの樹のメンバーじゃないもの


「!じゃあなんでアオギリのアジトにいたんだ?」

「ンフ、そんなの簡単。ヤモリのためよ」

ニコ曰く、ヤモリとはクラブであったらしい。
そこで意気投合し、行動を共にするようになった。

それから幹部と顔合わせをし、アジトへの出入りを許可された。

色々手伝いもしたが、ヤモリに付き添っていただけだと言う。

「アオギリの目的なんかに興味はなかったわ。
アタシが見たいものは美しいもの」





――剥き出しの脊髄を舐めあげられるような、身震いさえ覚える"美"よ





ヤモリはそれを見せてくれたのだと言う。

「でも死んじゃった。…最期の瞬間、どの女の名前を呼んで逝ったかそれを聞けなかった事がとてもザンネン…」

うるっと涙を浮かべるニコ。

それを拭うとイトリに近付いた。

「でも11区アジトがCCGに潰されてからは一切関係してないのよ?」

フリーだと言ってイトリにくっつくが煙たがられている。

「それで退屈しちゃって旧友に会いに来たってワケ♪」



「(この人…何を企んでいるんだ?問いただす?)」

両手と両脚を切断して身動きをとれなくして……、なんて物騒な考えをしているため、殺気がダダ漏れだ。



「カネキチ、殺気殺気。」

指摘しても殺気は消え去らない。

ニコと関わっていると分かり、イトリにも警戒しているようだ。

「ったく……アンタのせいであたしまでおかしな連中の仲間と思われちゃうじゃない」

ニコをフォローするつもりはないと前置きして、

「コイツはホント男の事しか頭にないから」





「そんなに信用できないならアタシが知ってる限りのアオギリの事を教えてあげるわ」




((ウフ))
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「カネキくんを連れて行った日だって、ちゃんと配慮したのよ?」
「(…配慮……?)」
「旧友のお客さん殺しちゃったらマズいじゃない?
だからちゃんとヤモリにも下では暴れないように言ったのよ?」
「アンタねぇ……夢叶が愚痴りに押し掛けて来たんだから」
「(夢叶さん……?)」


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