01 == == == == == 昇任式を終え、ホールで食事を取っていた。 「亜門、鈴屋」 名前を呼ばれそちらを見た亜門は一瞬で背筋が伸びた。 「久しぶり」 「有馬特等、平子上等…! ご、ご無沙汰しております」 懐かしの有名コンビ。 亜門は慌てて頭を下げ、什造の頭も押さえる。 しかし気を遣う必要はないと言われて頭を上げる。 「ずいぶん活躍したみたいだね。ねぇタケ」 「はい、彼のおかげで殲滅効率がかなり向上しました」 それに謙遜する亜門。 「タケも"梟"の腕ぐらい持って帰ってきたら良かったじゃないか」 「…ですかね」 CCG内でも最強と名高い有馬。 談笑の内容もレベルが異次元だ。 「(イノシシ狩りか何かと勘違いしてないかこの人…)」 流石の平子もこのように思うのだった。 「鈴屋も噂を聞くよ。 次は一等だね、がんばって。応援している」 「どうもです有馬サン」 それだけ言って2人は去って行った。 「ところで、妹と連絡がつかないって言ってたけど、」 有馬は隣を歩く元パートナーに話を振る。 「無事つきました」 携帯電話を友人宅に忘れていたらしい、と言わないのは平子が納得していないからなのか、或いは…。 「そう、良かったね」 「はい」 「タケは妹思いだよね、見かけによらず」 「……そうですか」 自覚はないらしい。 「だって机に妹が作ってくれたっていうお守り置いてたよね」 「家に置いていても効果がないので」 「肌身離さず持ち歩いてみたら?」 「無くすといけないので」 ((シスコン疑惑)) == == == == == == == == == == 「妹と2人で暮らしてるんだってね」 「はい」 「たまに心配になるよ」 「……ほとんど帰ってませんから」 | → |