01 == == == == == ♪〜 ♪♪〜 「ぅ……ん…?」 頻度は少ないが聞き慣れた着信音。 「、お兄ちゃん…?」 重たい瞼が上がりきることなく、携帯電話を探す。 だが手探りで届く場所にないようで、仕方なく起き上がる。 「あれ……4件もきてる。えーっとなになに…」 ―大きな作戦が終わった。報告書を書いたら帰る― ―今帰ったんだがどこかに出掛けてるのか?― ―食事は外で済ませたか?帰りは気を付けろ― ―仕事に行ってくる。帰ったら連絡をくれると助かる― どうやら家に帰った時に居なくて心配をかけたようだ。 「――ん、これ2日前のメール…!?」 なんで?と疑問に思う。 頭が働かず、2日間の記憶が全く思い出せない。 わけが分からずベッドに仰向けに倒れ込む。 ころりと転がり、腕を伸ばしたままメール画面を見た。 「…て、なにコレ……」 袖が捲れて見えた腕には幾つもの歯形(?)のようなもの。 画面に気を取られて気付かなかったが手の甲にもあり、裾を上げてみれば足にもある。 体中、歯形のようなものや青痣だらけだった。 メールのことなど忘れて若干の放心状態だ。 「(ちょっと待て自分! ほんと何があった!?)」 わけが分からないことの連続でキャパオーバー寸前。 あまりの混乱にオロオロだ。 助けを求めてアドレス帳を開いてみるが、誰に何を伝えればいいのか分からず無駄な操作ばかりしてしまう。 「(もぅ…泣ける……)」 視界が潤んで表示がよく見えない。 「――夢叶、起きたんだ…」 ((モーニングコールからのパニック)) == == == == == == == == == == 「2日連続音信不通って……マズい…。 流石に怪しまれるよね…。 もし帰ってたらいけないし、不用意には返信できないし…。 って、何で私2日も寝てた(?)の…」 | → |