01 == == == == == 『11区の"喰種"集団の本拠地周辺はCCGと警察が共同し、総勢千人を超える体制で包囲し、突入の時を待っています』 現場の状況を正確に映す箱。 空を捉えればヘリコプターが周囲を警戒し飛行している。 『一般人への被害を考慮し、周囲の住民は警察の誘導で指定された場所へと避難しています』 『現場の指揮は手段の拠点を突き止めた丸手斎特等捜査官。彼は今回の大規模な作戦への熱烈な自信を語って下さいました』 そこで映像が切り替わり、2人の人物が映る。 どうやら男の方がその丸手捜査官らしい。 『住民の安全は我々が命を賭し99%守ります。残りの1%は皆様のご協力によって成されます。東京11区の平和は我々の手で必ず取り戻しま――』 プツリと切られる電源。 光っていた画面は真っ黒に染まる。 「ありゃ、気になんないの?」 声がして後ろを振り返れば臨時の雇い主の姿。 「……ちゃんと帰ってくるって言ってたもん」 別れる前のことを心の中で繰り返し、自分を納得させる。 「あたしさぁ、前々から気になってたんだけど、」 血酒の入ったグラスが前のカウンターに置かれたと思ったら、肩に重みを感じ、抱くように腕が回って来た。 「夢叶はウーさんの何が気に入ったのかねぇ…? ウーさんの物好きは今に始まったことじゃないけど…。 釣り合ってないのよねぇ…性格的な面がさ」 "釣り合ってない" その言葉が脳内で反芻する。 「、」 微かに笑いが漏れた。 「それは多分…――」 ((似て非なるもの)) == == == == == == == == == == 「へぇ〜、ホントにそんだけ?」 「うん、」 「はい、それウソ〜」 「…ウソって分かるなら"何かあるんだぁ"くらいに思っててよ」 「だって気になっちゃうじゃん?人の隠したがることって」 | |