![]() == == == == == 「あ、ウタ?」 『夢叶?どうかしたの…?』 夢叶は自宅でウタに電話を掛けていた。 兄は仕事で今日も一人だった。 「今日はこっちに居るね」 『何かあった…?』 電話口の向こうでウタが心配しているのが分かる。 「別に。 でも、何だか嫌な予感がするから」 『そう…』 もともと、毎日ウタの店に通っているわけではない。 20区で大人しく一日を終えることだってある。 何も珍しいことではない。 それでも、最近はウタの店に通い詰めだった。 だから、1人の夜が寂しくないとは言えない。 『何かあったら連絡してね…。 急ぐ時は蓮示くんとか頼って…』 「うん、ありがと」 最後におやすみと言って通話を切った。 ニュースで報道されている喰種による捕食事件を見る。 「思い過ごしならいいけど……」 ((女の勘?ただの直感です)) == == == == == == == == == == 「えー!?夢叶来ないの!?」 「来ないって」 「そんなー…」 「イトリさん、夢叶のこと好きだね…」 「だって可愛いじゃない、初心でさ」 「昔ほどじゃないけどね」 「ウーさんのせいでね」 「夢叶が順応力高いだけだよ…」 「やっぱり呼んでよー」 「嫌な予感するって言ってたから今日はダメ…」 | → |