![]() == == == == == 「まずは赫子を引き出す感覚を身体に焼き付ける。自由に出し入れ出来るようになるまで。赫子が出せない時の接近戦も叩き込むとして…あとは身体作りね」 地下での軽い修業を終えた2人は店に戻っていた。 指を折られた金木は早くくっつくように固定している。 「とりあえず腹筋・背筋・腕立て・スクワット毎日100回!」 「へっ……」 「あ?」 金木は董香のスパルタ具合に顔を青くした。 今の身体の状態を見るために服をめくる。 「…何よアンタ、こんな身体で戦うつもり?」 金木には肉が足りていない。 「…や…やるよ……やります…」 「わかりゃあいい」 これではどちらが年上なのか分からない。 ガチャ 「「!」」 店の扉が開いたと思えば、そこには1組の男女がいた。 2人は金木と董香をじーーーーーっと無言で見つめる。 「あれ、ウタさんに夢叶さん」 「ウ…ウタさん…夢叶さん……なん…」 「「ゴメン」」 「やッ…ちっ…違いますよ。 そんなんじゃ…というかどうしてお店に…」 董香に服をめくられたままだった金木は慌てた。 すぐの服を整え、話を逸らす。 「マスクが出来たからスグに届けたいって」 「…ホントは置いて帰ろうと思ったんだけど……」 折角だからマスクを着けているところを見たくなったのだ。 夜の街では目立つ外見をしていた2人。 取り敢えず店の中に入った。 そして持ってきた完成したてのマスクを取り出す。 「ーーここに耳を通して…そっちは下」 夢叶とウタの2人で考えた結果、少し複雑な着け方のマスクになったので、説明をする。 「…どう? …カネキくんっぽく眼帯風にしてみたんだ」 「…眼帯…ぼくがしている側と逆なんですね…」 「うん。…隠している眼の方が見たかったから」 ーー…冷たい皮の質感と、普段と逆側の目から覗く世界は、不思議と僕の気分を高揚させたーー ((進んだ先で手に入れたモノ)) == == == == == == == == == == 「うんうん、マスク着けると雰囲気変わるね」 「そう…ですか?」 「……じゃないと困るんだけどね」 「喰種って顔バレると危ないでしょ?だから」 「……夢叶も作る?」 「??なんで?」 「喰種に拉致された人間として保護されちゃうかも…。 そしたら一緒に居られないね……」 | → |