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順応力の弊害
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私が4区に腰を据えたのは、"彼"に惹かれたから。

彼の持つカリスマ性であり、他者を捩じ伏せる力であり、楽しむ事を全力で楽しむ彼自身にだった。






「や、ウーさん」

この間、流れ者と派手に喧嘩したらしい4区のリーダー。

その姿を認めて声を掛けた。


「叶華さん、久しぶり。
最近見なかったけど、どっか行ってたの?」


今日も相変わらずあのサングラスをしている。

「他所で大きなドンパチがあったから見学してきた〜」

「相変わらずだね叶華さん」

褒めたつもりはないだろうが、叶華には褒め言葉に等しい。

「ところでさ、面白い流れ者がいるって聞いたんだけど〜?」

「カラス君のこと?
会いたいなら止めないけど、あんまオススメしないよ?」

ウタにそこまで言わせるとは。

逆に会いたくなるのが叶華のサガである。





「今度ヤり合う時は教えてよ、見に行くからさ」





「イトリさんにでも聞いてよ」

確かに、イトリなら耳が早そうだ。

「ん。じゃあまた…ーー」
「叶華さん」

背中を向ける前に呼び止められた。

「んー、なになにウーさん」


「最近ぼくの周りにいないなーって思って」


何が言いたいのか分からず首を傾げた。

「叶華さんにとってぼくはもう色褪せちゃった?」

「全然。ウーさんの周りは話題が尽きないからね。
新鮮なネタばっかりで好きだよ?」

すると納得したようで、ウタから背を向けた。





「他所に目を遣るのもいいけど、ぼくのトコもおいでよ。
たまの浮気くらい目瞑ってるから」




((刺激そのものから刺激の窓口に))
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「やー、イトリ!元気してた?」
「叶華じゃん!あたしゃこの通り!そっちこそどーなの?」
「愚問愚問。でさー、例のカラス君ってどこいるの?」
「あー、あの流れ者?耳が早いわね」
「だってウーさんが勝ちきれなかったって相当の猛者じゃん」
「まーそれもそうね。初めてね」
「会ってみたいから居場所教えてよー」
「流れ者よ?居場所なんてさっぱり。
それよりアンタ、ほんと飽きっぽいし移り気よねぇ」


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