お待たせしました == == == == == 「はっ……はっ……はっ…」 叶華は14区の道を全力……の1歩手前くらいで走っていた。 「ち、こく…!」 「じゃあ"レストラン"の件、頼んだわよ」 コクリと不安げながら頷いた金木。 「よしっ、と……もうこんな時間ね」 時計を見たイトリは店の扉の方を気にしているようだ。 「……どうかしたのか?」 「そろそろ来るはずなんだけどー…」 蓮示の質問に首を傾げながら答える。 ――バンッ 「すみませんイトリさん!! ちょっと間に合いませんでしたッ!!」 開店前のバーに駆け込んできたのは20代前半くらいの女性。 「お、やっと来たわね」 2分遅刻だけど、と笑う。 その表情は咎める風はなく、ただただ面白がっているようだ。 「って、そんな地味ぃーな格好で店立つつもり?」 「あ、いえっ。着替えはちゃんと持ってきてます!」 着替える時間が惜しく、リュックに入れてきたのだ。 「―!蓮示さん、お久しぶりです!」 イトリから視線を外した叶華は壁際の蓮示を見つけた。 挨拶が言葉で返されないことはいつものことなので気にしない。 「――叶華ちゃん……?」 ((快活店員)) == == == == == == == == == == 「ん〜…今度のつまみはどんなのが…」 「これとかいいかな……あ、これも…」 「〜!!時間やばっ!!」 「あ〜も〜、これとこれとと…全部持ってこ!」 「う……重くて体力が…」 | → |