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- ナノ -

10人分のバカ
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目覚ましが鳴るちょっと前に起きて

部屋の物で滑って転んで

ダメ押しのようにもう1度階段で滑って




バカみたい……。




冷凍し忘れた肉がダメになっていて

珈琲は切れていて

水を入れたコップを落として割って




ホントにバカかも……。




珈琲豆買いに行ったらお金足りなくて

貸してあげたら側溝に落として

結局買えずにお腹は空いたままで




ホントのバカだ……。










きゅるるるぅぅ……。


「うぅ、お腹空いたぁ……」

部屋の隅っこで小さく丸まる叶華。
ぼくは仕方なく立ち上がって。

「おいで、」




叶華は人間を喰べたがらない

人を頼るのが苦手、自分でやろうとして空回り




「あげる、ぼくのおやつ」

やっぱり簡単には受け取らなくて。

「人間殺すのが怖いんでしょ。
ならぼくが用意してあげるから」

それでも受け取らなくて。

「探してくる……」

そーやって気乗りしない顔で人間探しに行こうとする。


隠れてついていったら白鳩に見付かってて。
ご飯喰べてないから赫子出せなくて。


仕方なく助けてあげる。

「だからぼくのおやつあげるって言ったのに」





お腹が空いても喰べるものがなくて

弱って戦えずに死にかけて


やっぱり君はバカ





((そんな君が好きなぼくもバカだ))
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「この間、人間の食べ物食べてたよね?」
「うん…」
「それで体調悪くしてたよね」
「うん…」
「そんなにお腹空いてるならぼくに言ってよ」
「………」
「なに?ぼくから何かもらうの、そんなに嫌なの?」
「そうじゃないけど……」
「じゃあ何で?」
「目ばっかり喰べても百目のお化けにならない?」
「………ぼく、その百目のお化けに見える?」
「…見えない」
「君ってホントにバカだよね、救いようがないくらい」


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