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赫眼が映える
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「また雪……」


残念そうな声。

「雪、嫌いなの……?」

子供なら喜びそうなのにという言葉は飲み込む。

「だって……寒いしお出掛けできないんだもん…」
「風邪引くといけないでしょ…」

ウタだけ外出したりするのが不満らしい。

「ウタだって風邪引く……」





「……じゃあ雪遊びする…?」





すると目を輝かせてウタを振り返った。
こういうところは子供だ。

「遊ぶ!」

「少しだけだよ…」

風邪引くんだから…と渋々上着を着込むウタ。


「こら叶華、ちゃんと暖かい格好しないと…」

そのままの格好で飛び出しそうな叶華の腕を掴まえてきちんと上着を着せて手袋やマフラーも装着させる。

「はい、できた…」

すると元気良く外を目指す。

勿論、ウタの手を引っ張るのを忘れずに。















雪が降り続ける中、叶華は雪だるまを作っていた。

意外と降っていたようで、積もった雪を踏みしめ足跡をつけて遊ぶのを楽しんだ後は、白く冷たいそれで遊び始めた。


初めて作るらしい雪だるまは歪な形をしている。

だが本人は満足そうなので、ウタも何も言わない。

完成した雪だるまは赤い目をしていた。
叶華が服のボタンを千切って使ったようだ。

ウタは呆れながらもよくできましたと褒めた。





「赤い目はぼくら喰種の目?」

「ううん、私の目!」





振り返った叶華の目も赤かった。

でも喰種の赫眼とは違う。
単純に光彩の色が赤いだけ。

雪だるまは叶華そのものだった。

赤い瞳も、白い肌や髪も。



真っ白な世界では、どちらの赤も綺麗に映えていた。




((ぼくのこの目もそう見えてる?))
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「…っくしゅ」
「だから言ったのに…」
「か、風邪なんか引いてないもん」
「ぼく、まだ風邪だなんて言ってないよ」
「………ウタのいじわるー!」
「はいはい、大人しく看病されようね」
「雪ちゃん溶けちゃう……」
「もう溶けちゃってるよ、たぶん」


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