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放課後のセイシュン
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「あ…あの…ひゃ、百夜優一郎君!
あの時は吸血鬼から助けてくれて…ありがとうございました」

場所が学校の屋上。

時刻は放課後。

優は学生生活においてありがちな状況にいた。




「あなたが好きです!!
私の気持ち…読んでください!!」




押し付けられた手紙。

優が何がを言う前に女子は走り去っていった。

ーー青春だ。

「いや…俺、全然ンなことしてる暇ねぇんだけど…」

ここに青春を謳歌しない少年がいた。

「(ミカとルカは仲良かったけど、付き合ってたのかな…。
っ、ま…待て、そうなると俺はぼっちか?邪魔者か?)」

と、家族のこととなると少しズレてる少年である。


「やーやー、さすが吸血鬼から学校を救った英雄さん。
モテモテですね〜」

今度はあの子を泣かせるんですか?と問うのはシノア。

クラスメイトにして軍からの監視官。

「今度はって何だよ!」

人聞きの悪いことを言われ不満のご様子。



「まあ童貞ですしね」



「……シノアてめぇ…」

年頃の少女が言うべき言葉ではない。

「でも童貞は"悪"ですよ、優さん」

平然としているシノア。

「なにせ我ら日本帝鬼軍は、カップル成立を日々奨励してるんですから」

そんなの聞いたことがなかった優は呆けている。





「世界は1度滅びました。

それは未知のウイルスのせいで。
突如大地に溢れ出したバケモノたちのせいで。

もう人口は激減です」





町を囲む壁の向こうはバケモノげ溢れる廃墟と荒野。

「この世界はもはや人間には優しくない」

人間を襲うヨハネの四騎士。
人間の生き血を吸う吸血鬼。

そんな存在がいるのだから、当然だ。


「ですから我ら日本帝鬼軍は残った人間を取りまとめ……増殖させて世界の覇権を狙う!」

増殖……何ともリアルな表現だ。

優はどういう表情でいるべきか悩んでいるようだ。



「さあ産むのです、増えるのです。
我ら日本帝鬼軍のために!」


若干棒読みのシノア。

優は彼女の人格を疑うような目で見ている。

それすら気にしていないシノアは中々の精神の持ち主だ。




「ビバ!
不純異性交遊!」




((何だこいつ……))
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「なあ、家族の恋って応援するべきか?」
「不純な異性交遊ですか?」
「不純じゃねぇ!」
「そうですねぇ〜、日本帝鬼軍的には…」
「的には…?」
「男1対女2が理想です!」
「誰が三角関係なんぞ望むかッ!!」


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