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蔑むシセン
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ヴァンパイア暦 2016年

地下都市サングィネム



「ミカ!ルカ!これ見てみろよ!」

威勢の良い声を上げた少年の手には、"夜を歩く者の手記"と書かれたものがある。


「吸血鬼ども、頭破壊されると死ぬらしいぞ?」
――百夜 優一郎

「……ちょっと考え事してるんで話しかけないでくださーい」
――百夜 ミカエラ


「腕についてる腕章みたいな装置外すと紫外線で死ぬらしい!」
「興味ナッシングでーす」

ベッドのような形状のモノに寝転がっている2人。

周りには彼らと同じ状態の子供が大勢いる。



「ねぇ優くん、そんなこと調べてどうするの?」
――百夜 ルカ



優とミカに挟まれた位置にいるルカ。

「そりゃ決まってんだろ!
強くなって吸血鬼どもをぶっ殺すんだよ!」

「はい出た、アホ発言」

ミカの言葉にルカが優から視線を外す。

「あのね、人間が吸血鬼より強くなれるわけないでしょうが」

頭使ってよ、と辛辣な物言いに優が反抗しないわけがない。


「んなのやってみなきゃわかんねえだろ!?」


優が騒いだことで、他の子供の視線が痛い。
純粋な瞳というのは悪意のある視線並みの威力がある。

「いやいや、わかりまくりでしょ」

ミカまで反論し始めるものだから止めようがない。

「優ちゃんが読んでるその本にも書いてあるしさ。
人間の身体能力は吸血鬼の7分の1しかありませんって」

「関係ないね!
だったら頑張って7倍以上強くなりゃ……」



グッ

「じっとしていろ」



男の声と同時に、2人の首筋に注射針が刺される。

ブツッ 「痛っ!」
プチッ 「ぅ、」

機械によって吸い上げられた血液で、容器が満たされていく。

針が抜かれ、一息つく優とミカ。

「動くなよ」

男の――吸血鬼の真っ赤な瞳が優を捉えた。




「お前らは我々吸血鬼に生かされているんだ。
ただおとなしく血を差し出していればそれでいい」




((それは血の色))
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「なぁ、なんでミカは"ミカ"なのに俺は"優くん"なんだ?」
「なんでって……ミカも私のことは"ルカ"で、優くんは"優ちゃん"だから」
「ミカ、俺のことは"優"って呼べ!」
「え〜、優ちゃんは"優ちゃん"だよ。ね、ルカ」
「うん!優くん♪優くん♪」


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