不安なアサ == == == == == ーー退屈だねぇ… ーーって、僕より退屈そうな君に言うのもなんだよね 「っ!」 ベッドから飛び起きるルカ。 周りを見回せばフェリドから与えられた部屋だった。 どうやらミカの話し込んだ末に眠ってしまったらしい。 ミカを探せば、近くのソファで寝ていた。 吸血鬼は睡眠が不要らしい。 ミカが最近まで人間だった名残だろうか…。 「夢、か……」 随分嫌な夢だったと思う。 もう何割は忘れてしまった。 それでも、あの強烈な光景は微かに残っている。 自分の周りに積み重なる屍。 真っ赤な水溜りに映る、赤い……。 ルカはふるふると首を振った。 立ち上がろうとしたが、力が入らない。 最近は低血圧なのか朝が辛い。 動くのは諦め、ベッドに腰掛ける。 ミカを見ればあの頃と変わらない寝顔。 幼さが抜けても汚れない。 「(何も変わってない…。 大丈夫、まだ大丈夫……)」 それに安心する。 あと足りないのは……。 「優くん……」 ((光が苦しみから解放してくれる)) == == == == == == == == == == 「はい、朝ごはんだって」 「ありがと〜」 「フェリドのくせにまともな食事用意してるんだね」 「ホント、意外だよね」 ← | → |