仕組まれた必然 - 1/9


恋をしている瞬間が、凄く好き。

目が合う度に、横切る度に、名前を呼ばれる度に。
バカみたいにうろたえて、心臓は激しく音を立てる、恋ならではの感覚。
決して器用とは言えない。
甘酸っぱいことばかりだけど、それも含めて全部好き。



気が付くと、視線の先にはあなたがいる。
気が付くと、あなたの好きだという曲を聴いている。


やっていることは小学生と変わりない。
いつまで経っても、同じことの繰り返し。
でも、その瞬間が不思議に一番幸せだったりするから。



つまりは、私はあなたとどうにかなりたい、だなんて思っていなかったの。
見ているだけで、幸せだったの。



でも、人生は自分が願う以上の何かが起きる時がある。



今言えるのは、これだけ。
私の友達が、そんな風に言っていたのだ。





仕組まれた必然

by Jun Matsumoto

べたな展開に挑戦する5題
“放課後の教室で想い人の席に勝手に座ってみたところ本人に目撃された”






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