先生、授業に集中できません



「ねぇ蔵、あたしのこと好き?」
「当たり前やん、毎日愛しとるって言うてるやろ?」


俺のクラスのバカップル。今どきこんなバカップルおんのか、っちゅーほど毎日懲りずにイチャこいとる。


「あたし蔵のこと好きすぎて授業なんかどうでもええわ」
「俺も授業よりなまえのが大事やわ」
「もうほんま好き、好き好きだいすき」
「俺も好きやで」


あの白石がなまえと付き合うようになってから変わってしもうた。こんなアホな男になるとは夢にも思わんかったわ。女子もみんな嘆いてたで?恋は人を変えてしまうんやろか…。


「もう蔵かっこいい、だいすき愛してる」
「このままうち来るか?」
「行く」
「今日もめっちゃ可愛がったるわ」
「ふふっ、蔵の好きにしてええよ」
「んじゃ帰ろか」
「うん」


えー!帰ろうとしとる!!今授業中やで!つか先生どうにかしたってください!気づいてんのか気づいてへんのか、俺の席からはなまえの際どいとこまで見えとるからそろそろ我慢の限界なんです!それを白石がスリスリ触っとるんです!!俺も思春期の健全な男の子なんや!!!


「お前ら、今授業中やで…?」


先生、やっと注意してくれたんやね、おおきに。


「あ、先生おったん?」
「全然気づかなかったわ〜」
「うん、ずっとおったで。先生だけやのうて自分らのクラスメイトもな。隣で忍足が顔真っ赤にしとるからなまえは早よ白石から降りなさい。白石も太もも撫でるのやめなさい。そして健全なお付き合いせな先生許さんからな」


せや、太もも撫でんのやめろや。でも悲しいかな、俺まだ女子の太もも生で触ったことないから、ほんまは白石がめっちゃうらやましいねん。


「えー?あたしまだ蔵とくっついてたいんやけど」
「せやで先生、俺もまだこうしてたいねん」
「うん、家帰ったら好きにしてえぇからな。今は早よ降りなさい」
「…先生やきもち?」
「しばくぞ小娘」


あ、先生キレた。なにを見て解釈したらそんな答えが出てくんねんアホやな。そら先生も生徒やけど小娘言いたなるわな!


「…先生、もう気にせんで授業しようや」
「なんや謙也、普段は授業なんか聞いてへんくせに」
「せや、蔵の言う通りや!」
「と、隣でイチャイチャされとったら嫌でも授業に集中するしかないやろがぁぁぁぁ!!」


2人に向かって大声出してもうた。あまりにもアホでもう付いていけん!


「忍足もうるさいで」
「あ、すんません先生…」


なんやねん、俺も怒られたやん…。


「白石、なまえ、自分ら廊下立っとけ」
「「はいよろこんでー!!」」
「おー、走るんやないでぇ。それとここは居酒屋ちゃうでー」
「なぁ先生、白石となまえ、鞄持っとったけどええの?」
「ええねん、あいつらには明日ぎょうさん宿題出したる」
「俺座ってええですか…?」
「おう、おつかれさんやな、忍足…」


fin.
過去clapの会話のみの話しに付け足してみた



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