ブーゲンビリア



今日は大好きなダーリンの誕生日!ちゅーことで、盛大にお祝いしたくて、彼の中学時代の部活の先輩であり、あたしの幼馴染みでもある謙也にどうしようかと相談にやってきた。ちなみにあたしとダーリンは中学時代からの同級生やねん。


「謙也ぁ、なんか最高な提案ない?」
「自分で考えろっちゅー話しや」
「一緒に考えてや!」
「無理やー、つか俺やのうて、そういうんは白石に聞いた方が早いと思うんやけど…」
「はんっ、早いだけが取り柄の男のくせに…。スピードスターの名が泣くわ…」
「うっさいわボケェ!!つか言うとることようわからんし!早よ家帰れ!」


はー、ほんま謙也使えん奴やなぁ、ほんま溜め息出るわー。早よ帰って光とラブラブしながらお祝いしたろかなー。


「…謙也、今日あたし勝負下着バッチリやねんで」
「聞いとらんわ」
「見せたろかー?」
「え!ほんま!?」
「ウソやん、えっちー」
「くっ…!!」


アホやなほんま、見せるわけないやん。子供の頃はよう一緒にお風呂入っとったりさたけどさ。エロ謙也はほっといて早よ家帰ろ。


謙也の家を出ようとしたとき、勢いよく誰かにぶつかってしまった。痛くてよろめいてしもうたけど、咄嗟に腰を支えられて倒れることは免れた。


「誰や!ちゃんと前見て歩きや!」
「おっ、威勢のええ子やなぁ。すまんな、堪忍してや」
「あっ…、し、白石先輩っ…」
「おっと」


あーん、あたしの王子様や!めっちゃイケメン白石先輩!!前に謙也の家に行ったとき、たまたま白石先輩があそびに来ていて知り合ったんや。んでいろいろ話して何回か会うようになって仲ようなったわけ。光とはまた違う輝きを放ってるわ!


「おいなまえ!どさくさに紛れて抱きつくなや!!財前にチクるで!!」
「白石先輩っ、今日一緒に光の誕生日お祝いしませんか?白石先輩なら居てもいい、とゆうか居てほしいとゆうか…」
「シカトか!!」
「うっさい謙也!!黙っとき!!」
「くっそ腹立つ…!白石の前だといい子ぶりっ子になりよって…!」


はー、白石先輩ええ匂いや。離れるん惜しいわー。つか謙也さっきからうっとい。


「ははっ、気持ちは有難いけどななまえちゃん、財前はなまえちゃんと二人きりがええと思っとるかもしれんで?」
「そうですかねぇ?」
「絶対そうやで。財前、なまえちゃんのこと大好きやん!もう見ててわかるくらいにな」
「人前でイチャイチャする訳やないやけど、雰囲気イチャついとるよなぁ、あいつ」
「あれ、謙也まだいたん?」
「ここ俺ん家やからなぁ!!」
「まぁ話し戻るけど、二人きりでお祝いしたってや。財前よろこぶから」


そう白石先輩に言われて、やっぱ彼の誕生日は二人で祝おうかと思い直した。光はあたしが他の男おると不機嫌になりよるし。ヤキモチ焼き屋さんやねん、かわええよな。てか謙也が言っとった雰囲気イチャついとるってどんな感じやろ、自分じゃようわからんけどなんかハズイわ。


「てか早よ白石から離れや」
「はっ…!居心地良すぎて離れるん忘れとった…」
「俺はなまえちゃんならいつでも大歓迎やで!」
「えっ!もうほんま白石先輩素敵!」
「なまえ」
「ん?」


白石先輩にキュンキュンしとったら、自分を呼ぶ声が聞こえた。声の方に振り返ると、めっちゃイラついとるご様子の光がおった。なんで光が謙也ん家来たん…?


「ひ、光?」
「あ、財前がDVD返しに来るん忘れとった…」


こいつ…、あとでしばく。


「部長、なまえから離れてください」
「おお財前、せっかくなまえちゃんとラブラブしとったんに来るん早いわぁ」
「し、白石ぃ!誤解を生むような言い方やめいや!財前キレとるやん…」
「いくら部長でも、なまえに触れるんは許さへん。ほんまど突くで」
「光…」
「おー、怖々っ。ほなまたな、なまえちゃん」
「は、はい」
「行くで」
「ま、待ってや光!」


あ、あかーん!!これほんまにキレとる!白石先輩やなくてあたしがしばかれるんとちゃうか!?なにこれこわっ!!つか、あたしが一方的に白石先輩に抱きついたんになんやいろいろ誤解されとる気ぃする!白石先輩悪ないし弁解せな!!


「光っ!あれな、あたしが一方的に白石先輩に抱きついてただけで白石先輩悪ないねん!堪忍したってや!」
「うっさい、黙っときぃ」
「えー…」


ヤバイやん!あたしのせいなんに白石先輩が悪者になるんは嫌や…!なんとか光の誤解を解きたいけど、光はあたしの腕を引きどこかに向かっとる。なんかもうどないしよ…。


そんで辿り着いたんはあたしの住んでる部屋。謙也とは同じマンションに住んでんねん。光は合鍵で扉を開けて、そのまま腕を引かれ中に入った。そんで玄関の扉を背に追いやられ、光は扉にバンッと手を付いた。部屋に無機質な音が響き渡る。これ壁ドンやー、とかキュンキュンする状況ちゃうで?もうこわいっす、光さん。


「自分、よう他の男とイチャイチャできるな」
「だ、抱きついとったんはほんまごめん、悪ノリや。あたしが勝手に抱きついただけやねん、白石先輩悪ないし許したって」
「部長どうこうの問題やないねん、他の男に抱きついとったなまえにキレとんねん」
「ご、ごめんなさい…」
「もう絶対するなや」
「わかったから許してや光…」


ほんまに悪いと思ってるし光に許しを請う。それでも光の表情は変わらん。


「あっ、そうや」


もうアカンのかなって思った瞬間、なにかを思い立ったかのように光が声を発した。そしてニヤッと妖しげな微笑を浮かべた。なんやろ、やな予感しかせん…。


「今日俺の誕生日やん?今から俺の言う事なんでも聞くんなら許したるわ」


突拍子もない提案に思わず唖然。でもなんでも言う事聞くってええな、ドM心疼くわ。って、んなこと思っとる場合ちゃうな。まさか、一生こんなことするつもりちゃうやろな?


「それって今からずっーと続くん…?」
「明日の日付け変わる瞬間まででええわ。これが誕生日プレゼントっちゅーことにしたる」
「は、はい、わかりましたっ」
「ほな、今からスタートや」


とりあえず明日までやな、よかった!すると光はあたしの顔の横から手を退け、ようやく解放されたと思ったんも束の間、腕を引かれ、ベッドまで案内された。


「なまえ、ここ座りや」


光が先にベッドの上に座り、膝の上に座れと言われた。その言葉にすぐさま反応して言われるがままにするあたしも、大概アホやなと思った。


「なーに光?ギューしてくれんの?」
「アホちゃう?んなわけないやろ」
「えー…」
「なまえからキスしてや」
「へ?」


またもや突拍子もないことに変な声が出てもうた。なに?光にチューしてええの?これがひとつ目の命令?んなこと言われたらなんでもしたくなるやん!つか光がこないなこと言うなんてなぁ、可愛すぎかあたしのダーリン。


「もうチューだけと言わずになんでもしますわ」
「んー、俺をその気にさせられたら最後までしたる」
「…きゅん」
「きゅんとか口で言うなや、キモイわぁ」
「…」


あ、いつもの光に戻った。


「お言葉に甘えてチューさせてもらいますわー」
「早よして」
「もう可愛すぎやん光、ちょっと黙ってや…」


こないな命令ならなんぼでも聞くわ!


そんなことを思いながらあたしは光にそっと口付ける。だんだん激しくしてって骨抜きにしたるつもりでなぁ!!


「ヤバイ、想像以上にええわ…」


口を離されたと思ったら、景色が反転した。光があたしを押し倒して上におる。え、これってアレやんな?アレ始まるやんな?勝負下着でよかった…。


「なんや、光ってば我慢でけへんの…?」
「俺の言う事聞くんやろ?ちょっと黙ってもらいますわ」


今度は光からの口付け。あたしからするより断然ええ。段々と深いものに変わり、耳や首筋にまで口付けられる。場所が場所だからか、めっちゃ興奮する。光もいつもより激しい感じもするし、今めっちゃ最高な気分。光の誕生日なんに、あたしがプレゼントもらってるみたいやわ。


「はぁっ…、ねぇ光、もっとして…」
「はっ、当たり前やん…、言われんでもするわ…」


そのまま更に色っぽい雰囲気になって、二人で快感に溺れた。


今年はあたしがプレゼントやな、なんちゃって。



ブーゲンビリア
(嫉妬深いダーリンもだいすき)
(不安にさせんなや、他の男とあんま喋らんといて)
(心配せんでもあんた以上のええ男おらんし安心してや)



!7/20 財前 happy berth day.



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