1周年企画 | ナノ





夜、彼が職場から帰ってくる前にうとうとして寝てしまった。が、体に重みを感じて目が覚めた。目の前には愛しい彼の姿。体を起こそうとしても起きあがれない。どうやらあたしは彼に両腕を掴まれ組み敷かれてるみたい。なんなん意味わからんという目を彼に向ける。
「いやー、その、つい…」
目が合うと、申し訳なさそうな顔をする彼。ついってなんやねん。
「盛ってんの?あたし眠いから今日はパスやで」
「えー!今日なんの日かわかっとる?」
今日は16日、特になにもないよな?今更付き合って何ヶ月とかお互い気にしない歳やし。1年2年とか、年ごとの記念日は一緒に過ごすようにしとるけど。
「もう日付け変わって17日やで今」
「あっ、17日、そっか」
やっと気づいたなとご満悦な表情になる彼。なんなん、ドヤ顔腹立つわ。
「謙也、ハッピーバースデイ、んじゃおやすみ」
「おおきに、ほなおやすみ!って寝るんかい!」
ノリツッコミをしたあと、今度は不機嫌な表情になる彼。忙しい奴やな。あたし眠いねん、あんたに起こされるまで寝とってん、爆睡やってん。横向きになって再び寝に入ろうとすると、体をぐいっと彼の方に向かされて、強引なキスをされた。眠いと言いつつ、それに答えてしまうあたしもあたしやけど。
「…俺の誕生日やししたいんやけど」
そんな切なげな顔で見んといて。あたしがその顔に弱いこと知っててやってるやろ。こんな小悪魔な奴やったっけ。つか、誕生日やなくてもいつでもやりたいやん、あんたは。
「なまえ…」
「んっ、やめてや」
「ええやん、あたしがプレゼント、ってやつや」
なんやそれ。キスのあとは、あたしの部屋着を器用にはだけさせて、首筋、胸元、お腹と体の線をなぞるように口付けを落としてくる。何度やめてと言っても、必ず痕も残されるし。ヘタレのくせに、こういうときはリードがうまいもんやから困りものや。でもまぁ、あたしも気分がのってきたし、彼に答えることにした。こんな高級なプレゼント、他にあらへんしな。でもいっぱい彼に愛されて、あたしがプレゼントもらっちゃったみたいになってしもうたけど。



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -