マイブラザーマイシスター
「ただいまー」
自分の家に帰ってきたけど、誰の返事もない。リビングに入ると、しーん、って音が聞こえそうな程の静けさ。ママとパパ出かけたんかな?そういや車一台なかったような気がする。お姉ちゃんは彼氏んとこやろうな。あ、お兄ちゃんは?今日は部活の練習ないって謙也言っとったもん。
お兄ちゃんはパパとママの買い物にでも着いてったんやろうなと勝手に思うことにした。そもそも、ママ達が一緒に出かけとるかもわからんけど。
「うちのにゃんにゃんもどこ行ったんや…」
飼い猫の姿すら見当たらない。うちの子は勝手に出かけるなんてしない子やし。心配になってきた、事故にでもあってないかってそわそわする。
「って、誰かしら出ろや!」
両親、姉、兄と家族全員に連絡したけど誰からも返答がない。つかお兄ちゃん!あんたには出てほしかったで!いつもなら、あたしを心配して鬼コしてくるくせに!今日に限って出んってどういうことやねん!!
「たのしかったなー、また一緒にお散歩行こうな」
「にゃーん」
にゃーん…?ショックでうな垂れとったら、お兄ちゃんと、我が家のアイドルのマイペットがおった。あたしの姿に気付くと、二人は漫画かって思うくらいの勢いでびくついとった。…訂正、一人と一匹やな。
「なまえちゃん!?」
「にゃー!」
「よかったー、事故にでもあってないか心配したんやで」
飼い猫を抱き締めると、羨ましそうにこの光景を見つめるお兄ちゃんが見えた。なんやその態度が可愛く思えて。ここ最近構っとらんかったし、妹からの提案や。
「…お兄ちゃん、今日久しぶりに一緒にお風呂入る?」
「なまえちゃん…!もちのろんやで!!」
あたしも大概ブラコンみたいやな。
fin.
「うちのお兄ちゃん」最終話です。読んで下さった方々ありがとうございました。相変わらずめちゃくちゃな文ですが、白石のいきすぎたシスコンぶりを書くのが楽しかったです!