「わぁ、かっこいい…」

ドキドキしながら白石くんを待っていたら、白石くんと部員のみんなが勢揃いしてすぐに練習が始まった。あたしの他にもちらほら見学に来てる人達もいる。テニス部のみんなってかっこいい人多いから、ほとんどが女の子のギャラリー。

「謙也さん、あの人が部長の彼女っすか?」
「ちゃう、後々彼女になる子や」
「ふーん、確か転校生っすよね?かわええ人やないですか」
「え、財前タイプ?」
「まぁまぁタイプかもしれないですわ」

あ、忍足くんだ。一緒にベンチに座ってるのは確か、二年生の財前くん。うちのクラスの女子も財前くんを話題に出す子多いから、名前と顔は覚えた。白石くんとはまた違うタイプだけど、財前くんもかなりモテてる。

もうすぐ白石くんの練習試合が始まるみたい。相手は千歳くんか。千歳くんも同じ時期にここへ転校してきたから、何度かお話ししたことはあるけど、とてもマイペースな人だなと思った。

「千歳、久々に相手するんやし全力で頼むわ」
「全力出しても白石に勝てる気せんばい」

白石くんと千歳くんの試合が始まった。二人共すごい…。すぱんっとテニスボールを打つ音と、二人のファンの女の子の声が耳に響く。そんな中、白石くんかっこいいなぁ、と見惚れていたら、あっという間に試合が終わっていた。結果は白石くんの勝利。

「やっぱ白石は強かね〜」
「あほぅ、自分ちょっと手抜いたやろ」
「バレちょる?」
「ははっ、ばればれや」

ということは、千歳くんが本気出したらあれより強いの?想像つかないよ…。

その後もテニス部の練習は続き、下校の時間が近づいてくると、テニス部の人達も見学の人達も帰り支度を始め、学校内にほとんど人がいなくなった。

初めて近くで白石くんのテニスしてる姿を見たけど、笑顔や存在だけじゃなく、汗も含めて全てが輝いて見えた。片想いの乙女心フィルターってすごい!だって本当に好きな人しかキラキラしてないのだから。

一緒に帰ってみたかったけど、部員のみんなは後片付けもあり声をかけられなかったから、今日は目に焼きつけたかっこいい白石くんを思い浮かべながら一人で帰ろう。思い出しにやにやを抑えながらね。

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