perfect human


今日は朝から忙しい。昼過ぎに蔵ノ介のテニス部仲間が子供を見に来るから、あたし達はこの殺伐とした空間の片付けに追われてとる。蔵ノ介は仕事が忙しいし、あたしは慣れない育児で家事が疎かになってしもうて。蔵ノ介も家事と育児を手伝ってくれるんやけど、気付くと子供に夢中で家事が進んでへんときが多々。まあ気持ちはわかるけどね。


「ほんま散らかり放題やな」
「あたしがもっと家事得意ならよかったんやけど…」
「いや、なまえのせいちゃうで。俺も大して手伝わんとむすこにかまけてたんが悪いんやし」
「どうしても家事は後回しになってまうわー。早よ片付けよ!あたしこの部屋片付けるから蔵ノ介はそっちの部屋ね」
「了解!」


片付ける場所を分担しよったら、意外にもスムーズに進んでこれは早めに片付けられそうや!むすこもお利口に寝てくれとるし!なんてパパママ想いな子なんやと親バカなうちら。


「よっしゃ!こっちは終わったで!」
「こっちもやで!思ったより早よ終わってよかったわー」
「せやな、二人で同じとこやっとらんで、最初から分担して片付ければよかったな」
「せやね。てかあたしお昼ごはん準備するから蔵ノ介はむすこ見とって」
「まだ寝とるし起きるまで俺も手伝うで」
「ほんま?おおきに!」


蔵ノ介と一緒に料理なんて久しぶりや!作り終わるまでむすこくん寝とってな、なんて思いながら作業をはじめた。てかさ、あたしより蔵ノ介のが料理上手やねん、部員の人らにあたしの料理下手バレへんか妻として心配やわ…。


「ほんま手際のいいことで…」
「料理もパーフェクトでいたいんや!」
「部員の人らにうちの嫁も料理上手やねんって言ってや」
「え、無理やん、あいつら俺の手料理食うたことあるし」
「あ、そやった!」


ヤバいやん、料理上手な嫁なんが夢やってん。


「ま、諦め!」
「はぁ、相当がんばらなこの夢叶わんな…」
「結婚生活は長いねん、その内料理もパーフェクトになるやろ」
「…地道にがんばりまーす」


よっしゃ、あたしの唯一の得意料理でも作って部員のみんなを待つとしますか!


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