赤也からの映画の誘いに柄にもなくうきうきしてしまった。やはりあれだ、後輩は可愛い。それだけは自信をもって言える。


「何やら楽しそうですね」
「あ、やぎゅー」


浮かれている私に気付いたようだね、大佐。間違った、柳生。


「何してるの?」
「少々休憩を」
「あーハイハイ、オーケーオーケー」


あれ、何がオーケーなんだろう。やけに今日はさぼ……、いえ、休憩をとる方がおおいじゃありませんの。しかもレギュラーばかり。それでいいのか立海テニス部。


「そういう貴方も何かあったんですか?」
「赤也から映画のお誘いをね」
「…………あぁ、なるほど」
「おい何で今溜めた」
「気にしないでください」


そう言われると気になるのが私、否、人間の性分というのを知ってるはずだ。


「まあ今週の休日は珍しく部活も休みですし、楽しんできて下さい」
「楽しまなくてどうするよ」
「何とも貴方らしい答えです」


そういって微笑むムス……、ごめんなさい、柳生。


「あぁ、時に#苗字#さん」
「何でしょう」
「これ、差し上げます」
「…………『猿でも出来る簡単レシピ』!?」



おいお前紳士だろなんだ「猿でも出来る」って。馬鹿にしてんのか似非紳士。紳士ってなんだっけ。


「それで料理を学んでは如何でしょう」
「よし表出ろムスカ」


言ってしまった。


「ム、ムス…………」
「うんありがとう!ありがたく料理を学ばせてもらうよ!そしてごめん柳生アデュー!!」


なんかショックを受けてる柳生を見たら逃げる事しか出来なかった。明日面と向かって誠意をもって謝ろう、うん。
…………料理、しようかな。




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