「あ、二人して何処行ってたんだ?」
「ちょっと、な」
「?……おかしな仁王。あれ、どうしたんだそのペンダント」
「ああこれ?これはむぐっ」
「気にするんじゃない」


おい。言わせてくれよ話聞いてくれよ。私が話すことによって仁王に不利益があるわけでもあるまいし。今日のこいつちょっと変だな。理由聞くのは面倒なので聞かないけど。


「まぁいいか。それより幸村くんが怒ってたぜ?」
「げっ」
「いや、お前に対してじゃなくて仁王に対して。練習抜けたからじゃね?」
「今に始まった事じゃないのに」
「そうだけどよ」
「まあ一応行っておく」
「どうかご無事でー」
「他人事じゃな」
「とばっちりはごめんだから」


ひらひらと手を振れば諦めたように仁王は精市のいる(であろう)方へ歩いて行った。


「あ」
「なに?」
「……………ああ、気にすんな」
「え、ちょ、何。さっき仁王にもはぐらかされたけどなんか隠してる?」
「いや」
「嘘つけ」
「まあ気にすんなって」
「無理」
「あーもー。じゃあこれやるよ」
「何コレ」
「食っとけ」


無理やり掌に置かれたのはキャンディ。
お前ガムばっか食ってるのにな。


「まあ貰うけど」
「お前って本当現金な奴だよな」
「えへ」
「可愛くねえよ」


爽やかに笑うブン太。きっと他の女の子はイチコロだろうが私はそんなに簡単に落ちない。ブン太よりも試験の方が簡単に落ちるわ。毎度追試だわ。それはまずいって?今は関係ない。知るか。


「グリーンアップル味な」
「いやどんだけ好きなんだ。むしろよくあったなその味」
「探すの大変だったんだからしっかり味わえよな」
「え、もしかしてコレクション的なものだったりするの?なんなら返すよ。飴コレクションして腐りそうだけど」
「貰っていいっつの。集めてるわけじゃねえしそれそこら辺のコンビニに新登場で売ってただけだし」
「いや大変じゃないよなそれ」


なんか騙された気分である。


「さーてと、俺ももどっかな部活」
「いや抜けてきたんだ」
「じゃなきゃここで駄弁らねえよ」
「じゃあ私も戻るとしますか」


ブン太から貰ったキャンディを舐めながら、ね。




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