#22 雨降らせ坊主(2)
ガラス窓に叩きつく大粒の雨も、うなる風の音も。
台風のような天気が過ぎ去って、霧けぶるしっとりとした外界に変わっていたのも。
あけて晴れた、虹の色。
みんなみんな、気づかないくらいに研ぎ澄まされて。
集中して、愛して。
愛されて、没入した。
震える、彼をいつも確認する。
ふてぶてしく、傲慢と思えるようときに振る舞おうとも、膝を抱える幼い少年なのだと。
あたしの中から出ていかない。
「このまま……」
うわごとが焼きついて、離させない。
顔を埋めた。汗を帯びた、首筋に。
この匂いを知るのも、自分だけ。
世界にいっとき許された、この幸福。
「あたしは、ぜんぶ、好き」
背中の中心に添えられた、じんじんと熱い手のかたち。
熱など冷めないで。
外の雨は変わらず静かだった。
落ち着いた脈拍、優しい心音。
滑る肌、にじむ輪郭、閉じた瞼、長い睫毛。
眠る穏やかさをこころごとに。
いつまでも寄り添うように、抱き締め続けた。
*