◇あとがき(1/3)
さくらがはらはら舞うのを窓の外に見て、書くことを思い立ちました。
散り終えるまでに書き上げるのが、なにかの使命のように感じました。
これだけなら美談にもなり得ますが、目的は他に。
描きたかったのは、傷つけられる性と、取り戻す性。
(『取り戻す』という表現は正確ではないです。理由は後述)
常々、携帯小説で描かれる『性』に疑問を感じてきました。
レイプを扱うものは星の数ほどありますが、あの『痛み』を伝えるものが、少なすぎる。
レイプとは、性への暴力。人生狂わす、大罪です。
記憶から決して消し去ることが出来ない、生涯の恐怖を伴うものです。
官能や別の目的で語られる文脈ならともかく、純愛をうたうお話で、可哀想を伝えるテイストなのに。
行為の恐ろしさと、事後の恐怖を実にあっさり済ませるものばかり。
描写を省くのは配慮と思えなくもないのですが、レイプ自体をまるで作品のゴールの如く描いた割に、その後の心理は省き気味で。
次に結ばれる描写だけが、あけすけとも言える克明さ。