◆7(1/4)
 ハタチそこそこの男女が、老人みたいな茶飲み友達。
 
 友達、と呼ぶのだろうか、果たして。
 
 なにかのセラピーみたいだ。

 この関係、半年以上も続いている。
 
 自分から連絡は取らない。テーブル一つ分の距離を保ったまま。 

 現在、沈黙がそびえていても、『とにかく喋らなきゃ』といった強迫観念は感じさせない。
 
 むしろ、心地良い錯覚。
 
 あたしは窓の外を見るのが好きだった。
 
 薄汚い世の中を、あくせく泳ぐ人々の群れ。
 
 お向かいには、いつも雑誌を読み、時折笑い、たまに本を手に理知的な表情も見せる人間。
 
 本日、ROCKIN'ON JAPANを熟読中。曽我部恵一が好きらしく。
 
 初めて呼びだされた日以来の、喫煙席。
 
 やめとくか、と言われたけど、いいよ、と伝えた。
 
 バイト後に目にする、煙草を口にする彼の仕草。
 
 白い指が唇に運ぶ動き。
 
 一人占めしたかった。
 
 と告白するのは変態だろうか。
 
 この正体を突き詰めようとすればするほど、脳は混乱を極める。
 
 ――彼が、ああいうことをする『男』だと。
 
 最終的には女を押し倒し、もてあそぶ。
 
 望まない行為を強いて、くわえさせる支配に快楽を知る。


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