文.創作 | ナノ




(ジブリール)


大地を照らす暖かな陽射し、光を取り込みきらきらと水面を輝かせる泉、頬を撫でる柔らかな風、葉を揺らす木々、楽しげに囀ずる鳥。
その全てが愛しい、愛している、と思っていた。しかし心は埋まらない虚無感ばかりだ。
まだ愛したりないとでも言うのか。
考えはいつも堂々巡りだ。思考することに疲れた脳は、今日も微睡みの中に落ちていくのだろう。




すべてを愛することは、何も愛していないことと同意義なのです。
(ならば何を愛せというのか)