(サタルシ?)
「やっぱり美味しいよ」 首筋をべろりと舐め上げられる。ぞわりと背を何かが走ったおかげで何が、と問いかけはできなかった。 壁に押し付けられ何度も噛まれた首はきっと歯型だらけだろうと、内心溜息をつきながらも抵抗はしない。そういう関係なのだ。契約した時からわたしはこれに縛られている。 「ねぇ、考え事?」 不機嫌そうゆぐっと首を掴まれ気道が潰される。呼吸ができるところまでで止めているのだから、やはりこれは元々そういうものだと改めて思い知らされる。堕天したとはいえ、純粋な悪魔とは同質にはならない。 「お前のことを、考えていたんだよ」 「ふうん、でも一口くらいもらおっかな?」 途端首筋に走る鋭い痛み。 「ッ、」 歯を噛み締め、目の前の壁に爪を立て声は抑えた。血が流れる度に痛みが走る。 「治るの、遅いんだけ、どな」 「その間僕が舐めててあげるよ」 そう言って血と傷口を舐められる。ああ、まだ付き合わされるのか。これ以上傷が増えないといいが。
「やっぱり君は美味しいよ」
極上の君 (ほら、もう手放せない)
契約して落ち着いたサタンさんはたまに本能が前に出るといいと思いました。
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