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夏恋
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「うじうじしてるくらいなら告白しちゃえばいいのに」


「無理無理無理」




それができたら苦労しないよ・・・。





「夏だよ?恋の季節だよ?わかる?」


「う・・・うん」


「うじうじしてるときっと後悔するよ?どうせ後悔するなら告白してからしなよ」


「そう・・・だね」


「相手はあの広末先輩だよ?並の事したって周りの子と同じだし、夏子を知ってもらわなきゃでしょ?」


「でも・・・どうやって」




そら先輩と私・・・確かに釣り合わないよね。




どうしたら私を知ってもらえるんだろ・・・。




「あれ〜、夏子ちゃんにみどりちゃん」





ふいに呼ばれてドキッとした。





だって、声の主は・・・今、話題になってたそら先輩たっだから。




「ねぇ二人共。今度オレらのバンドライブやるからおいでよ。これ、チケットね」





ハイっと差し出されたライブのチケット。




「夏子ちゃんには特別だよ」




ウインクして耳元で囁かれたらもうどうにもならない。




「夏子ちゃん?どうしたの?」


「な、なんでもないです。絶対行きますね」


「待ってるね〜」






手をひらひらさせて廊下を歩いて行ったそら先輩の後ろ姿を眺めていると





「これってチャンスじゃない?」





とみどりにつっつかれる。




「チャンス・・・なのかな。でも頑張ってみる」


「頑張れ、夏子」


「振られたら付き合ってね」


「どこまでも付き合うよ」










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