@プリズムオーシャン

※上にあるのが新しい



ふゆ
色彩の海に溶ける
はじけるきらきら
彼女の涙からできた海
日の光にあたった
スパンコールとサイダー
どこまでも続く青にめまい
あの日撮った写真にうつる君
世界でいちばん綺麗な色



久慈屋
焼けた肌に熱視線が滑る
青すぎた海に君を探す
迷子のビーチボール
波間に白む光が人を射る
ざぶんざぶん、おぞましくて懐かしい音
僕たち水母になります
潮風が凪いだら会いにいこう
踝の砂すら愛しいね
乱反射する暴君の独壇場
「宝石みたいだね」そう言ったきみの美しさは、僕と海しかしらない



ユーヒカ
ソーダ水を震わせて
パレオの誘惑
日焼け跡にはアイラブユー
しょっぱいほおにキスをして
感情論は砂の城
初恋レース、バナナボートで一等賞
テトラポッドで待ち合わせ
夜明けの海とライバル宣言
体から一粒、海がこぼれた
波打ち際のフラクタル



莉亜
焦がれたeyes
溢れた想いはぶくぶく泡のなか
その赤く染まった頬も暑さのせいだなんて誰が決めたの
息が詰まるほど素敵なこと
心臓が止まるほど大切なこと
ゆるやかな瞳さえ欲してしまう日もあるのだ
「さびしいなんて言わせないで」
あなたの愛と熱はいかほど
夜空を食べ尽くせ
ほんの少しだけ染まった頬に
今日もあなたの愛の言葉が目に染みるよ
きみの笑顔は世界遺産
ぜんぶが流される気がした
あの日呑み込んだことば
すべての記憶と煌めく瞳はパンドラの箱へ
しょっぱい涙がなによりの証拠
沈められたしあわせ



藤野
全てがまぶしくて、眩しすぎて思い出せないような、
僕のリトルマーメイド、泡にならないで
今を切り取ってアルバムにしまおう
赤くなった腕を見て君は嬉しそうに笑った
その輝きは、まるで涙のようで、
濡れて透ける僕の欲情
夏のデートの定番にいかがですか
その言葉は波の音で消させていただきますね
きらきらとした中に、君はいた
あの日の海にこの気持ちを還しましょう。



宮城島様
憧憬は水晶体で全反射したのだ
日焼けのあとみたいにヒリヒリする傷あと
潮の薫るなみだ
もうどこも見ないで
水面が高くなっていく
満月の夜、寄る寄る波間
きみは僕のデネブ、なんて言いたかった



クロ
「あの屈折の角度がいとおしい」
光と波と波長をあわせて走る
わたしの進む方向
ファインダーに写した青
ぶくぶく、と沈まないで
光と浮く
波長をあわせたらきらきらに成った
見えないなにかもみえるだろうか
瞳孔が閉じる
太陽の色をしていたね



卯多
夏を駆ける、遠い夏空に想いを馳せて
ファインダーの奥のはしゃぐ麦わら帽子
その笑顔が欲しかった
コバルトブルーの魔法に目が眩む
サマータイム・ラブドール
君の笑顔と夕焼けが瞼に焼き付いて離れない
砂浜に書いた君への告白は、波にのまれて端から消えた



無依様
屋根からスカイダイブ!
雨上がりは君の瞳が蒼く輝く
その青き深みにはまる
そうだ、竜宮城へ行こう
幾らかの潜水
君はいつも潮の香りがするね
なおも打ち付ける荒波に
その魚、大河を知らず
もうじき私はくじらになります
明日は明日の風が吹く



桧並
不意に攫われてしまう気がした
白昼夢だってことにして
ああ、海の青にも届かないのか。
砂の城を焦れたように崩す君
切り取って刹那純情
波打ち際から先、踏み出せなかった
シーグラスを陽にかざして
遣る瀬無い頬の熱さ
乱反射したまま行方知れず
いつか君を誘って戻れない場所まで



イコ
ゆらゆら水面に揺れるよ
灼ける砂浜、君の素肌
穏やかな波にきらり反射した
君を見つめるには眩しすぎた
代償大きい青春の痕
ぷかりと浮かんだあぶくが1つ
世界はあまりにも広すぎる
水平線の彼方まで
沈みゆく太陽に思いを馳せて
どこまでも深い青に溺れて



ルー
青と冷たさで癒して
ご自慢のきらっきらが見えない
雨よりもずっと綺麗に隠してくれるんだよ、って微笑む瞳
目をあけて平気ではいられなかった
しょっぱいのは海にいるからよ
どれほど甘くとも勝てやしない
きっと痛みのない場所へ導いてもらえる
放り出されたヒトを救えない/掬わない
そっと逃がしてくれるんだから、どこまでだって、
あわあわになっておやすみ



星山
深くて鮮やかな海色をしている
目が眩むほど輝いた青だった
砂浜の匂いが懐かしい、って
浮き輪で必死にクラゲから逃げていた
溺れて笑っていなかったらしい
空の青と海のあおは違うって
いつかの思い出がループする
君の瞳みたいな宝石が売られていた



笹倉
本当は追いかけたかった
きみのうろこ
午前三時に消えるならば
ここは水族館じゃない
かなしいくせに笑顔はまぶしい



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