兄からの妙なメールを開いた翌朝、私の部屋の隣で急な引っ越しがあった。
どうやら、兄と同じ歳で兄を知っているらしい。
そして、昨日のメールにも関わりがあると言うことが、私の部屋を訪ねた彼が口を開いた途端分かった。
「六道凪、君の兄、六道骸から「Chrome」と言う件名のメールが届いてると思うんだけど」
それが、挨拶もなしの最初の台詞。
「………」
変な倒れ方をした上に寝起き。
まだよく頭が回らないのに、初対面の相手にプライベートな事を言われては、返す言葉に困ると言うより、ただただ混乱してしまう。
「パソコンを見せて貰う」
「え…ちょっ」
私が黙っていると、彼はため息をつき、勝手に上がりこんできた。
何で、チェーンしてなかったのかしら…。
後悔してももう遅い。
彼は、昨日私がメールを見て倒れた後、スタンバイ状態になっていたパソコンを触っている。
それもすごく真剣な表情で…。
「ねぇ、メールもう見たの?」
射るような視線を向けられ、私はコクコクと首肯した。
すると、再びため息を付きながら頭を抱える彼。
あのメールがどうしたの?
それよりももっと知りたいのは…
あなた誰?
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