現パロ/実→カナ(前提)2 ハピハピエンドです

不死川とはあれから仕事以外の連絡取らなくなるし、「不死川さん」に呼び方を戻した。
そのうち、今回の企画も終わりが見えてきたので、打合せ自体も減るし、関わりが段々無くなっていく。
目を見たら泣いちゃいそうだから、まともに目を合わせられなかったし、丁度いいかもな。くらいの、仕事してる人間として駄目駄目なスタンスで、それでも滞ることは何一つなく企画も終了。
不死川さんとは本格的に会う必要が無くなった。

宇髄先輩から「飲み行かね」って誘われるけど、「不死川さん来るんですか」って毎回確認してしまうし、居るなら行かないを徹底して避けに避けることにする。

それから二週間ほど経って、マッチングアプリで三回目のデートした男の人から告白をしてもらったけども、どうにも罪悪感が凄かった。
「不死川とは、こんな事でも笑えたのに」とか
「不死川なら、こうしてくれたなぁ」とか
「不死川と、ここ、来たかったなぁ」とか、別の人の事ばっかり考えてることに気が付いてた。
ちゃんと謝って断った。
これは本格的に親に「孫の顔を見せられそうにはありません、ごめんね」のコースだな、とかって腹を括ってたら、自宅のマンションの玄関前に不死川さんがコンビニのビニル袋片手に立ってた。

「……部屋、間違ってるんじゃ無いですか」
「んなわけねぇだろぉがァ」
「カギ、開けられないから、退いてください」
「飲もうぜ」

片手に下げてた袋を持ち上げて言う不死川さんを、思わず睨みつけちゃった。

「…………嫌です。帰ってください」
「ンな意地の悪ィ事ばっか言うんじゃねェよ」
「……意地悪な女なんて見限ってしまってはいかがですか」
「悪かった」
「悪くないです。私が勝手に期待して、勝手に拗ねてキレてるだけです」
「違ぇだろォ」
「違いません!」
「だったらァ!!」

不死川さんが初めて、凄い大きな声で怒ってて思わずびっくり。鍵を落としてしまった。
私が取り落とした部屋の鍵を拾いながら、不死川さんが言葉を続けた。

「だったら、こんなに悩まねぇ」
「……な、にを?」

聞くのも怖いけど、もう聞く以外の選択肢は残ってないらしい。

「お前をどう思ってるか」
「どう、って……」
「今でも正直わかんねぇ。ただ……」

不死川さんは後頭部のあたりをガシガシと引っ掻きながら目つきを鋭くしていくから、何でそんなに拗ねてるの。ってこっちまで口元尖らせたくなる。
ただ、って言葉つまらせた不死川さんが、下から伺うようにこっち見てるの、本当に可愛く思えてしまうから、あー。もう負けた!ってなるね!

「仲直り、……しようぜぇ」

ってちょっと頬染めてるの可愛すぎて瀕死。

「む、無理!……だって、普通にとか、……多分出来ないし、普通に好きなのに、不死川さんに好きな人居るのとか考えて沈むのもうヤダし、もっと、……違う人が良かった」
「おゥ」
「だ、だって、今でもやっぱり、す、きだし、すぐになんて切り替えらんない。つきあって、くれないんなら、一緒に居たくない。よそ見しないでって、言えないなら、隣居たくない」

一気に捲し立てたら、不死川さん、私に渡そうとしてた鍵で部屋開けて私を捩じ込むし、壁ドンしながら「バカ野郎がァ」って呟いてキスしてくるしで、そーいう・・・・関係になるのかな。とかってどっか遠いところで考えようとした矢先に、顔持ち上げられてまたキスされちゃう。
キスされながら、「ちったァこっちにも、花持たせろォ」って唸るみたいに言うから、恋人とか、そーいうのになってくれるってことでいいのかな、ってちょっとパンク寸前の頭で考えた。




このあと、お付き合い始まって、全然手出してくれないことに不満持ったりとか、お互い仕事人間だから、夜にしか会えないし、一回そういう事したらしたで、そればっかりな事も悩み始めるし、でカナエさん(宇髄先輩が前に言ってた特徴と一致で断定した/カナエさんは結婚してるって聞いてた)と街中でばったり会ったとき、不死川が私が無理矢理に繋いでた手をスッと抜いたので、思わず顔を見たら、なんか凄い気まずそうな顔してるから、ピンときちゃったし、それにはてしなく傷付いて、そのまま「どーぞごゆっくり」って二人残して拗ねて家帰った。
悶々してぐずつくし、不死川からの電話凄いかかってきてるの出ないでいたら家に押しかけて来て、それすら気に食わなくなっちゃって思わず「あの人の二人目にでもなってこい!」ってキレちゃうし、不死川は不死川で「本気で言ってんのかよてめぇ」って怒り始めるから収集付かないやつ。

追いかけて来たんだから、多少はこっちにも気があるんだな、ってのは理解するんだけども、やっぱりあの態度には果てしなく傷付いたから、もうこんな気持ちになるのもやだな、ってモヤモヤして、そんでも不死川を諦めらんないもんな、って一週間悩みに悩んでこっちから連絡する。

『もしもし』
『悪ィ、今忙しい。かけ直す』
『ごめん、わかった』

で、タイミング悪く、忙しい時にかけた、ってのはわかってるのに、もしかして、とか要らんことばっかり浮かんで自己嫌悪しまくるしかない。
待てど暮らせど、連絡はなく。
今日はもうかかってこないかな、って時計見たら、12時手前。
メッセージで「意地悪言ってごめんなさい」だけ送って布団に潜って寝ることにする。

悶々としてるから、寝られるわけないのもわかってるし、今までのことずーっと考えてもやもやしてしんじゃいそう。

布団の中でもグズグズしてたら電話鳴って、不死川の名前に出ないの選択肢はやっぱりないから、電話に出る。

『……はい』
『今、〇〇駅(私の最寄り)』
『……え、』
『次、終電。お前の家、行って良いかァ』

って聞いてくるの果てしなくずるい。


不死川が玄関に足を踏み入れる前に、「意味、わかってるよなァ」って確認してくるから、頷くの躊躇したけども、なんとかかんとか頷いたら、齧り付くみたいなキスしてくるし、そのまま寝室に縺れ込むし、初めて「スキだ」って言ってもらえるし、「可愛い」「かぁいい」「好きだァ」っていっぱい言われながら夜を過ごすやつ。


「あのとき、あの人と居なくても良かったの」
「……相手が宇髄でも同じ態度なってたァ」
「絶対?」
「からかわれたくなかったんだよ。悪ィな、ガキでェ」
「言ってないよ」
「思ってんだろォ」
「……ちょっとだけ。でも、そういうとこ、嫌いじゃないかもしんない」
「……」
「意地悪言ってごめん」
「……いや、ムキんなって悪かった」
「明日……じゃない、今日仕事は?」
「三日間休みィ」
「私も!」
「知ってる。だから休みとった」
「……一緒に居てくれるの?」
「ちぃと、行きてぇとこあっから、一緒に来てくれ」

ちょっとだけ笑って左の薬指撫でてくるの、そういう意味って受け取って良いだろうか。
真っ赤になってたら、「お前、可愛いなァ」ってまたキスいっぱい降ってくるし、体力使い果たした。
そのあと、今日はもう無理だから、明日行こうねって布団の中で約束でもするんだろうね。って感じのハッピーエンド
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