欲しかったんだよなぁ

かっちゃんが、オールマイトのサイン貰えなかったってとこが一生頭はなれなくて妄想してた



爆豪勝己には、好きな女がいた。
いくらヒーローと言えども、彼は22になる成人済みの男性である。
恋人の一人や二人が居たところで、さしたる問題はないのであるが、こと彼においては違った。
それは、彼がヒーロー"大・爆・殺・神ダイナマイト"であり、爆豪勝己であったからだ。

から始まる、女に好きと言えない話です。

ずっと夢主(普通科)のことを視線で追い続けて、何かがあれば「気ぃつけろや」とか冷たく言うフリなんぞをしながら、ちょっとずーつ、人よりも亀のようなのんびりペースで関係を育んでいく。
夢主も満更でもない感じがちょっとずつ出てき始めたところで、本誌の現在へと突入。

本誌の最終章終了後、夢主は大学進学。爆豪勝己はプロヒーローの仲間入りを果たす。

その間も、夢主のバイト先(惣菜屋)にちょこちょこ顔を出したりしていたが、今日も行くか、と店内の様子を窓越しに見てから、踵を返す。


夢主との出会いは高校受験の日。
たまたま、電車で一緒になった。
真っ赤な顔で、あたふたしながら老婆に席を譲る姿に惹かれた。

普通科に入ってるのを見た時点で、「ザコ」くらいには思ってたが、時折、誰かに親切にしとる姿を見かけては、後頭部を引っ掻いていた、高校時の爆豪勝己。
夢主が落としたハンカチを返しそびれていた。

それは、未だ返せていない。


窓越しに見た店内に居た夢主が、爆豪に気が付いたらしく、頬を染めて手を振っていた。
どうしようもなく欲しくなった。
愛おしさで死にそうになった。

だからこそ、「まだ、言えねぇ」ってずっと悶々としてる。
そんな話を考えとる。

素敵やんか…………
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