天体流星―星の宿り―
プロローグ
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この世にあるのは必然だけだ。
偶然なんてものは限り無く少ない。
あるかもしれないが、それは本当に少ないこと。
この世には運命というものがある。
だが、運命と呼ぶに相応しいものはほとんど無い。
しかし、主にはある。
誰も知らない場所で、
二人が出会い、
誰も知らない恋をして、
誰も知らない恋をする。
僕はこの二人が共にいることが許せなかった。
少女の隣にいるべきは僕の主人。
少女は主人と共に生きるはずだった。
主人は運命なんてものは無いと言った。
けど、僕は思うようになったんだ。
二人が出会ったことこそが、運命だったんじゃないかって。