ESCAPE | ナノ

ESCAPE

04







「おっはよー!!」

満面の笑みを浮かべて学友達に挨拶をする。勿論殆どが無視か冷たい視線だ。

「おいナギサ、また寝坊かよ?」

そんな周りを気にせずめんどくせー、といつもの口癖を言いながら欠伸をしたシカマルの隣に腰を下ろす。

「賞味期限切れた牛乳飲んじゃってさー、もう死ぬかと思った」

ははは、と笑うと後ろにいたキバがさっさと捨てろよと爆笑しながら言ってきた。

「お、おはよう…ナギサくん」

目が合った途端、びくびくとしながらもわたしに話しかけたヒナタに、好きだと言ってくれた笑顔を浮かべヒナタが座れるようにシカマルをど突いて一つ隣にずれる。

「ありがとう…」

「どういたしまして」

照れたように笑ったヒナタにつられてわたしも笑った。それを見てキバが相変わらずヒナタには甘いな、とニヤニヤしながら言う。当たり前だ。個人的にヒナタを気に入っているのもあるけれど、わたしが難無く性別を誤魔化せているのはヒナタのお陰と言っても過言ではないのだから。

「あれ、ところでチョウジは?」

基本的にわたしはヒナタ、シカマル、キバ、チョウジと時々シノの5人でいる事が多いのだけれど、シノは兎も角チョウジがいないのは珍しい。新発売のスナック菓子でも買いに行ってるのだろうか。

「お前と同じだよナギサ」

「拾い食い?」

「違えよ阿呆。…腹痛で休みだとさ」

てかお前拾い食いは駄目だろ。嘘だよするわけないって。ナギサくんお腹空いてる?流石ありがとうヒナタ。いやヒナタは用意が良すぎるだろ。わいわいがやがや。

「お前ら授業を聞けええええええ!!!!」

イルカ先生が来てた事に全員気がつかず、見事に怒られてしまった。

「大体ナギサ、お前はまた授業に出なかったそうじゃないか!先生が嘆いていたぞ!!」

先生ってどの先生ですか、なんてことは言えず。罰として放課後全員で教室の掃除を、さらにわたしのみ午前の授業に出なかった罰として明日試験を受けることに決まった。





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