「嶺ちゃん、あれ見て!なんか光ってる!」
「えー、どれどれ?」
「ほら、あそこ!雲に隠れそうだけど、ぼんやり光ってる!何かな、UFOかな!?」
「あー、あれか…聡奈ちゃん、言いづらいけど、あれ多分お月様だよ?」
「え?え、だって、月この間まで、あっちに出てたじゃん!」
「それ、いつの話ー?」
「う、数ヵ月前…」
「でっしょー?ぼく、昨日仕事終わってから、あの辺に月あるの見たから間違いないよ」
「うー、でも、」
「まぁ、聡奈ちゃんの気持ちもわかるけどねー」
「…なんだぁ、月かぁ、がっかりだなぁ」
「あはは、でもそういうロマンチックな聡奈ちゃんの考え方、ぼくは好きだよ」
「うー、なんかちょっと複雑」
「すねないの。よし、お兄さんが頭なでなでしてあげよー」
「…嶺ちゃんの馬鹿」
「ふふ、恋をすると人は馬鹿になるものなんですよー」
他愛ないことも、一緒に分かち合えたら。
20130702
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ついさっきの、母との会話です。
いきなり人を呼んで、空を指差すうちの母は可愛いと思いました。
変な光 嶺二