( 1/5 )



トンカントンカン金槌の小気味良い音が響くサニー号。久しぶりの島だと言うのに、私はデッキに出したチェアにひとりごろりと寝そべって先ほどから響く音をBGMに雑誌を眺めていた。


それというのも。




「なんだ姉ちゃん、降りなかったのか?」


「…フランキーを待ってたんじゃん。」




ぺたぺた裸足の足音と共にかけられた声。ふり仰げばコーラ片手に今日もバッチリ決まったリーゼントも凛々しいフランキーが不思議そうに私を見ていた。
そう、私が降りないのはフランキーが船番だから。




「だから言ったろ?今日はおれが船番なんだよ。
待ってたっておれぁ降りねえぜ。ナミたちと買い物でも何でも行きゃあ良かったんだ。」


「だってフランキーと一緒に行きたいんだもん。いいの、これ読んでるから。」




私が少し膨れて雑誌をめくっていると、フランキーは手にしたコーラをテーブルに置いてくれた。そしてチェアの横にどっかり座り込む。




「しかしおれと居たいなんて物好きな姉ちゃんだよな。コーラ飲むか?」


「飲む。あとさ、姉ちゃんやめてよ。」


「悪い悪い。そうむくれるなヒロイン。」


「ん。」




サングラスをちょいと上げてニッと笑ったフランキーがカッコ良くて、私は彼から目を逸らしてコーラを飲んだ。



<< 2 >>



topcontents