( 盲目 )



「ねぇ、見て、ナミ」

「なによ」

「サンジくんがタバコ吸ってる…!かっこいい…」

「あー…ハイハイ」


ナミってば、冷たい。


タバコに火を点ける時のあの伏し目がちな感じとかたまらないのにな。


超色っぽい。


むしろ私がさっと点けてあげたい。




「あ!見て〜、ナミ!」

「…なによ」

「サンジくんがお料理してる…!超かっこいいー」

「アンタねー、サンジくんはそれが仕事でしょうが」


もーナミってば、冷めてる。


仕事中にあんなに輝けるなんて素晴らしいことだよ。


あの真剣な眼差し、やばいでしょ。


「サンジー、何刻んでんだ?」

「じゃがいもの皮だよ」

「皮ー?皮なんて食えんのか?」

「皮だって栄養あんだろ、無駄にはしねぇよ」


そしてその食材に対する気持ち!


男前過ぎて聞いてるだけで心臓ドキドキしちゃうし。


ていうか、なんでサンジくんはじゃがいもって言うだけで、あんなに色気があるのかな。


むしろ私をじゃがいもって呼んでくださいましって感じ。


じゃがいも…。




「は!見て!ナミ!」

「今度はなによ」

「サンジくんがエロ本見て鼻の下伸ばしてる」

「うわ最悪、もしかしてヒロインはアレにも魅力を感じちゃうわけ?」

「ふふふ、なんかかわいいじゃん」

「…あーそう、恋する乙女は楽しそうでいいわね」

「うん、サンジくん見てると超楽しいよ、……あ!」

「え?」

「サンジくーん!鼻血鼻血!」

「ハァ…やれやれ」



ナミには盛大にため息をつかれてしまうけれど。


サンジくんだったらどんなにだらしない顔で鼻血垂らしてようが、かわいくて仕方ないんだ。





恋患い。




私にとったらサンジくんの全てが魅力なの。




(サンジくん、鼻血出てるよー、はいティッシュ)
(え?…ああ、すまねぇ、ヒロインちゅわんありがとほぉぉぉ)
(くすくす、サンジくんかわいい)
(おれをそんなふうに言ってくれるヒロインちゅあんが一番かわいいぜー!)

(…サンジくんのせいでヒロインの頭がおかしくなり始めたとでも航海日誌の隅に書いておこうかしら。)



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