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「わあ!きれいな島!!南国って感じ」

「あーかわいいなあ」


「え?シャンクスなんか言った?」

「かわいいって言ったんだ、新しい島にはしゃぐヒロインもかわいい」

「ふふ、シャンクスありがとう、行こ!」


聞こえてたけどね。


言ってもらいたくて聞き直したの。


だってシャンクスはものすごく強くて凄い人。


顔だって整ってて超かっこいい。


それなのにそんな人が私みたいな小娘に翻弄されていると思うと、嬉しくて楽しくて仕方なかった。



「あ!シャンクス!!アイスキャンディ売ってるよー」

「食うか?」

「うん!食べる〜」


シャンクスが買ってくれた細長いアイスキャンディを口にくわえ食べ始める。


すると、シャンクスの目の色が変わった。


「…!ヒロイン…!」

「ん、何?シャンクス?あ〜てか、この島暑いからもう溶けてきちゃったよー」


溶け出したアイスキャンディが私の胸元を汚す。


「あーあべたべた」

「うおおおぉぉぉ!ヒロイン!!おまえはそんな卑猥なもの食べなくていい!」


ええええぇぇぇ!?


アイスですけど!??


私の拒否などまるで虚しくアイスはシャンクスに取り上げられてしまった。


「シャンクスのスケベおやじー、ばかー」

「ヒロインが食うと卑猥になるんだ」


卑猥なのはあなたの脳内じゃないですか。


それにしてもアイスキャンディ一つでこんなふうになるこのおじさんかわいいな。


もっと困らせたくなってしまう。



「はぁもういい…あ!ヤソップさーん!!」

「おい!ヒロイン!待てって」


樹々の生い茂ったところで、ヤソップさんが樹になったフルーツを落としみんなで食べているのが見えた。


「おう、ヒロイン!おまえもなんか食うか?」

「うん!食べる!じゃあね、バナナがいいな」

「よし任せろ!バナナだな!」


「ヒロインーーー!!おまえは反省しろ〜!」

「うお!なんだよ、お頭」

「ヤソップ!ヒロインにバナナなんか与えるな!!」


反省って…バナナくらい好きに食べさせてくれ。


シャンクスの反応が気になってわざと言った感も否めないけど。


「とにかくヒロインはもう人前でバナナなんか食うな!」

「なにそれ、理不尽!!」


「お頭…バナナくらい食わせてやれよ」

「だめだ!とにかくだめだ!!!」


シャンクスとバナナについて言い争っていると、突然大雨が降りだしてきた。


「わぁ!スコール」

「ほら、ヒロイン濡れちまう!!早く屋根のあるところへ行くぞ!!」


シャンクスのマントに庇われながら雨宿りできるところまで走った。


「よかった、ヒロインはあんまり濡れなかったな」

「シャンクスは濡れちゃったね、ごめんね」

「ん?ああ、おれはいいんだ」


「…そんなに私が濡れたら困る?」

「風邪でもひいたら大変だからな」


「…夜は濡れ濡れだと喜ぶ癖に」

「…!!ヒロイン!雨の話だ!」

「あーはいはい、雨にね…」

「そうだ、雨に、だ」


「私が打たれて、びしょ濡れになっちゃったら困るもんね?お頭さん」


ふざけて色っぽい声色にし、上目遣いで言ってみれば。


シャンクスの顔がみるみる赤くなる。


「ぐぉ!ヒロイン!なんでおまえは…!」

「シャンクス以外に打たれてねー、濡れ過ぎちゃったら困るからねー、」

「ヒロイン!!!」


あ、怒り出した。


ほんとおもしろいな、このおじさん。



「あはは、ごめんね、シャンクス」

「はぁ…もういい…」

「あ、雨止んできたね」

「そうだな、じゃあ行くか」

「うん!」



手を繋いでみんなのところへと戻ると、ビーチでバーベキューをしながら宴が始まっていた。


「お!お頭、ヒロイン!!どこ行ってたんだよ!食おうぜ」

「ルゥさん!ルゥさんのお肉、今日もおいしそうだね」

「ヒロインも食うか?」

「ううん大丈夫、じゃあ私は…」

あ…、またシャンクスが困りそうなもの見付けた。


「ウインナーが食べたい!大きくて太いやつ」

「っ〜!!!」


シャンクスはもう言葉を発することもなくわなわなと震えている。


「…ヒロイン、あんまりお頭のこといじめてやるなよ」

「え?なんのことかなあ?ベンさん」

「クク、まぁいい、食え」


そう言ってベンさんはリクエスト通り大きいウインナーの入ったお皿を渡してくれた。


「あはは、いただきます」

「ヒロインーーーーー!食うなああああぁぁぁぁ!」





確信犯。




卑猥な思考のおじさんがかわいくて、困らせたくて仕方ない私。


お話にもならない。



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