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おれの背中には、君が快楽に溺れて付けた爪の跡がある。


そして君のからだにはその行為の最中におれがつけた無数の紅い跡がある。




「ナミすわ〜ん、ロビンちゅあ〜ん、ヒロインちゅわ〜ん、おやつ持ってきたよぉー」


トレイ片手にくるくる回りながら甲板のテーブルを囲み談笑をしているレディ達の元まで行く。


「本日のリラックスおやつ、サンジ特製アップルパイです」


礼を言ってくれる三人の前に一つずつ丁寧に皿を配り、一緒に持ってきていたカップに紅茶を注ぐ。


レディ達は早速フォークを口に運んでくれている。


「ん!おいしいわ、サンジくん」

「ええ、おいしいわね」

「お褒めいただき光栄です」


ナミさんとロビンちゃんから称賛の言葉をもらい心が満たされる。


だが一番言ってほしいヒロインちゃんは、そんな二人ににこにこしながら「うん、おいしいね」と言っているだけで。


おれの方は見ようとしねぇ。


「ヒロインちゃん」

「ん…?」

「ヒロインちゃん、おいしいかい?」


直接言ってほしいから。


腰を曲げヒロインちゃんに顔を近付け、にっこり笑って問えば。


そこでやっと目を見てにっこり笑って「おいしいよ」と言ってくれた。


が、顔を覗き込んだその刹那、微笑む前にわずかだが瞳を泳がせたのをおれは見逃さねぇ。


ヒロインちゃんはおれに怯えてるんだ。



「それはよかった、それじゃあレディ達ごゆっくり」


そうして再びにっこりと笑いキッチンへと踵を返した。


…背中に君の困った視線を感じるぜ。


ナミさんが「ヒロイン?どうかした?」なんて言ってる声が聞こえる。


そうしてヒロインちゃんは「なんでもない」と答えているが、少し焦っているであろう様子が見なくても想像できる。


なんでもない、か…。



「フ…」


なんでもねぇ扱いされちまったな。


まぁ…いい。


口ではそんなこと言ったって、実際は頭の中はおれでいっぱいなんだろう。



…おれがいつまたからだを求めにやってくるか分からねぇから。


愛してもいねぇ、おれが。



おれは、ヒロインちゃんをクソ愛してる。


一緒にいるとすげぇ落ち着く娘で、いつからか仲間として見れなくなっていた。


気持ちが抑え切れなくなっちまって。


だからある日の晩、キッチンで二人きりになった時にすげぇ真剣に告白したんだ。


君が好きだよ、クソ愛してる、と。


なのに君は本気にとらなかった。


みんなに言ってるんでしょと笑って流した。


その君の笑顔に目の前が真っ暗になり。


どうすればいいのか分からなくなった。


こんなに愛しているのに伝わらないなんて。


おれの性分がこんなだから信用してもらえねーのも仕方なかったのかもしれねぇが…。


だが精一杯の気持ちを伝えたのに。


言葉で信じてもらえねぇなら抱くしか術を持ってなかった。


そして何事もなかったかのように別の話題に切り替えようとするヒロインちゃんの細い手首を掴んで。


食料庫に引きずり込み優しく押し倒した。


ヒロインちゃんは目を丸くしておれの顔を見ていた。


「…サンジくん…?」

「ヒロインちゃん、おれ君が好きなんだよ、なんで流すの?」

「え…本気、なの…?」


本気だよと答える代わりに激しく唇を重ねる。


そこでやっとヒロインちゃんにおれの本気が伝わり、唇を奪われながら腕の中で必死に抵抗していた。


「…っ…んっ…やめ、サンジくん…!はぁ…っ」

「…抵抗するってことは、ヒロインちゃんはおれが好きじゃねーんだな」

「…そんなの、急に言われたって…」

「…なぁ、ヒロインちゃん」


激しいキスをしたせいで呼吸が荒くなり、泣きそうな顔で呆然とおれを眺めるヒロインちゃんの耳許に唇を近付けた。


もう後戻りできねぇから。


大切で大切で仕方ねぇけど何よりも欲しい気持ちが上回っちまったから。


「…おれの気持ち、受け止めて…?」

「…っ…やぁ…」


低く甘い声で囁けば、一瞬だが抵抗していた力が抜けて。


その隙にもう一度キスをし、服の中に手を入れ優しく胸を揉んだ。


それから頂きを刺激し軽く摘まめば、からだがぴくりと反応し。


僅かだが甘い声が漏れた。


「っ……はぁ……ぁ!…」

「声我慢しねぇで聞かせてよ」

「……や、だ…こんなことやなんだから…!」


ヒロインちゃんは下唇を噛み締め必死に声を押し殺そうとしていた。


けれどそうやって我慢するってことは感じてくれてる証拠だろ?



抵抗されねぇように両手を固定して服をまくりブラも上へずらし、乳首を舌で転がした。


「ふうっ……はぁ…サンジくん…、やだぁ…」

「君がおれの気持ちを流したからいけねぇんだよ」

「っ…!それは、ごめんなさい…!でも……ひゃっ!」


ちゅぱちゅぱと音を立たせ舌も駆使し胸を吸いながら。


右手は下半身に下ろして行き、ショーパンとショーツの中へ手を入れ、秘部に直接触れる。


するとくちゅっという音がして、そこは触れられることを待っていた。


「クク、ヒロインちゃん…ちゃんと濡れてるよ…」

「も、やだ…」


きちんと濡れていることを確認したところで押さえていた両手を解放してやると、片腕で顔を隠した。


「感じてる顔、…見せてくんねぇの?」

「…はぁ…ぁ…感じてなんか、ないから…やめ…て」

「じゃあ、ちゃんと顔見せてよ」


するとヒロインちゃんは顔から腕を退かし、潤んだ瞳でキッとおれを睨み付けた。


だが今のおれには、そんな顔すら気持ちを煽られる材料にしかならねぇんだよ。


「その顔もクソかわいいよ」

「や…!…ぁ……だめ!!」


ついばむようなキスをして。


指先に蜜を絡めて敏感な突起を擦り付けた。


そんな行為に反抗的な態度を取るヒロインちゃんとは裏腹に、泉からはますます蜜が溢れだし。


からだだって何度もぴくりと反応して時折小さく声だって漏れている。


「ヒロインちゃんかわいい…すげぇ好き」

「ん…!でも、サンジくん…ほんとにもう、やめて…!」



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