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明け方、何食わぬ顔でベッドに入ってくるマルコ。


知らない女の香りを纏って。


私はこんなに愛しているのに、マルコは私以外の女を抱き平然と帰ってくる。


憎い。



「マルコ…」

「…わりぃ、起こしちまったかよい」

「…」



布団の中、隠し持っていたナイフをマルコの腹に突き立てる。


「…!ヒロイン…」

「フ…、あなたが憎い」



憎いよ、不死鳥のあなたが。


殺したいほど愛していたって、私にマルコを殺すことはできない。


青い炎を纏って傷口を再生していく。


私の心の傷もその能力で再生してくれればいいのにと、何度思ったことか…。



愛しすぎて突き付けたナイフの跡もあっという間に消えて。


そうやって消えてしまうように、きっとマルコに私の愛なんか伝わらない。


どうすればマルコは私だけのものになるの。



涙をぽろぽろと流しながら消えてしまった傷口を眺めていると、逞しい腕に引き寄せられて。


きつく抱き締められた。


「…ヒロイン、もう別れるか…?」

「いや、…絶対にいや」


それでも別れようとは言わないマルコがやっぱりどうしようもなく好きで。


憎くて仕方ない。


この男が生きている限り私は救われないのに。





上手な終止符の打ち方。




いっそあなたに殺されたい。



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