なりたいのは君のお兄ちゃんじゃなくて



※現代パラレル
※設定胸糞
50万打企画の際にいただいた「なりたいのは君のお兄ちゃんじゃなくて」を意識したお話。
裏です。




泣きながら。


一度だけでいいから、なんて。



「サンジくん……、…おにいさん、」

「ッ……ざけん、な…」



馬鹿げてる。


馬鹿にされてる。


先にどっかの男のもんになったのはテメェだろ。



「…めろよ、ンな、呼び方、」

「だって、そうなる、…お義兄さん」


おにいさん。


空気に混ぜるように、もう一度そう呟いて。


顔を歪ませポロポロと涙を流す。


年下のかわいい女の子。



「うるせェ」と言って唇を重ねた。



ガキの頃からよく遊んでた。


そんな距離で暮らしてた。


年上のキレイな女の子に連れられてやって来る、年下のかわいい女の子。


無邪気でどこか危なっかしくてほっとけねェ、ヒロインちゃん。


初めて知った恋心だった。



「――…っ…はぁ……サンジくん、…ごめん、なさい…」

「………やっぱ、やになった?…今ならまだ、止めてやれる…」


嘘だ。


初めて貪った唇はとろけちまいそうな程に甘く、おれの理性を粉々に砕いた。


ああもう、なんで、もっと。


もっと、早く――――。



「ちがう、こんなことをさせてしまって…」


罪悪感で押し潰されそうな瞳におれを映し、小さく呟いたヒロインちゃん。


こんなに愛しいのに、ただただ苛立ちが募った。


その罪悪感を責め立ててわけじゃねェのに、行き場のねェ想いが棘を持った。


「なァ…ヒロインちゃん、今更さ、おれとこんなことして、何になる」

「なにに……ううん、何も、…だから、」


見下ろす女はいつからこんなに大人びた表情をするようになったのだろうか。


その変化に気付けなかったからおれは置いていかれたのだろう。


「おわったら、何もなかったことにして……なにも…」

「………わかった」


舌を絡めキスをしながら、服を脱がせて、あらわになる素肌は白い。


白い。



(この辺に幼少の思い出とか、経緯とか)



「サンジくん…!」

「ッ…あんま、締めんな、」

「だって…」





「さんじくん……やさしく、しないで…」

「…ヒロインちゃん、相変わらずおれに、無茶ばっかり、言うね」

「でも…こんなの……」


忘れられなくなっちゃう、そう言っておれの首に腕を回し抱き寄せたヒロインちゃん。


多分、また泣いた。


「ごめん、でも、さ……」


おれは君に優しくすることしかできないんだよ。





ここまで。不幸しか見えない。(いろいろとごめんなさい)


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