プロローグ






ツ…メタイ………


まっしろなゆ…き………


雪の中、少女がただひとり、言う



マッシロ…ッテ……ナニ?

ユキッテ……………ナニ?


手のひらに落ちた雪を見つめ、思う




―それは赤くないもの




少女は考える


アカイ…モノッテ…………ナニ?













『ヴァンパイア』




「迷子かね?お嬢ちゃん


血を吸ってもいいかね?」


1人のヴァンパイアが近付く。




――それは



「いやっ…!」



ドガッ



「ヴァンパイアの面汚しが」


男の子が1人、少女の前に現れる。




『人の生き血をすする 人の形をした猛獣』


―――ヴァンパイアはいる




「大丈夫?」




――――あなたが気付いていないだけで









-同時刻-


とある屋敷で青年と少女が窓を見ていた。




「見て__。雪が降ってる。


白い、


白い雪」




「そうだな。この地方は冬になると雪がよく降る。


この白さを例えるならお前だな。

髪の色も、肌の色も」



青年は目の前にいる窓を眺めていた少女を見て言った



「そうだね。まるで私みたいだ。



それに比べて__は真っ黒だね

私や雪とは正反対だ」


少女は金色の月のような瞳を輝かせ、青年に振り返る


「フッ そうだな




…これから玖蘭の屋敷に行くのだろう?」




「うん。そろそろ時間かな。


気がすすまないけど、2人の最後の願いなんだ。

私に出来ることならしてあげたい」





「やはり つらいのか?」


青年は少女の頬を撫でながら問う。




「長い間、生きてきたからこんなことはたくさんあったんだ。

今回もそう。2人、亡くした。

とても、暖かい人たち。



数え切れないほど繰り返してきたけど、やっぱり慣れないね……」




「__。お前―」



「でも、大丈夫。


だって__は私を置いて行かないんでしょ?










それなら、私は寂しくないから」






「当たり前だろう。

何度言わせる言わせるつもりだ」





「そうだね。





じゃあそろそろ行ってくるよ」


少女は決意したように再度窓を見る。


「待て、俺も付いていこう」

「ありがとう。

じゃあ行こっか。









――――――――――――ルキ。」





prologue end



mokuji
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