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一瞬、空気が止まった。

何事かと顔を向ければ、零が枢に血薔薇の銃を向けておりさすがの名前達も目を丸くする。

その零に星煉が無表情に鋭い爪を当てていた。枢がいいと止めれば星煉は手をどけ、零も銃口をおろした。



「枢様に銃口を向けるとはね……錐生…この場で八つ裂きにしてもまだ足りない」

「こらこら藍堂。本当にやっちゃだめだよ」

「ああ…なるべくこらえるよ。学園にいる間は…黒主理事長の"平和主義"を、僕は否定したくない」






「だが忘れるな。"純血の吸血鬼"…枢様がいるからこそ、僕たちもまたこの黒主学園に集ったんだ
それだけじゃない、ここには逆巻や無神の純血のヴァンパイアもおられる」



藍堂の言葉に優姫は目を見開き固まった。



「枢センパイが"純血種"…


名前センパイと無神センパイも?」





錐生零の家族を襲った吸血鬼と同種…。



「…初めて知ったような顔だね優姫…恐い…?」

「…枢センパイは昔からほんの少しだけ、恐い…です。今もほんの少し…だけです…」

「はい!みなさーん忘れちゃやですよーっ」



ぱん!と小気味いい手を打ち鳴らす音と共に一条が明るい声で言う。



「今夜は僕の誕生日パーティーで集まってもらったんだ。ちゃんと祝ってくれなきゃダメだよ。優姫ちゃんも錐生くんも、僕の大事なお客なんだからね


それにいい加減シュウくんも起きてよ!」

「ああ?うっさい一条

だいたい家に来たとたん無理矢理引っ張ってきやがって。


俺はもう眠い....」

一条の気遣いでその場の空気は一応の落ち着きを取り戻したものの、やはり何処と無く変化のあるものだし、優姫からしたら居心地がいいとは言えない場所だった。


「ねぇねぇ名前ちゃん、マネージャーが名前ちゃんに撮影に来てほしいって言うんだけど☆

一緒に撮影しよーよ!」


「イヤだ……めんどくさい」



「もぉー!

こーんなところばっかりシュウくんに似ちゃってるんだから!」

「コウ、そう無茶を言うな」

「コウうるさい………俺のラフマニノフが台無しだ」

シュウに指摘されたコウは当然のようにふてくされる。


「キーッシュウ君は寝れなくて不機嫌か静かに音楽が聞けなくて不機嫌がどっちかにしてよね!」

「……両方だと思うよ」「両方だろう」

「ぅう………言われなくてもわかってるよ!


あーっもうどうにかしてよこのバカップル!
キレイに同じこと言っちゃって!」


「それは関係ないんじゃ……」「俺達は関係ないだろう」


「………」



腰掛けながら名前はルキ達とと他愛のない話をしていた。

ふと血臭がして何かと顔を向ければ一条の手から血が流れていた。



「支葵のやつ…」



ナイフでたまたま切れたようにわざと切った支葵は勿体ないとか言って血を舐める。



「零!」




mokuji
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